第3回 誤変換

 第三回目のテーマは「誤変換」です。
 わざわざ書くまでもないのではと思われる方もいるでしょうが、誤変換。結構あるものです。単純誤植や意味の取り違いによるミス(「保障」と「保証」など)とは違う、改めて見れば大胆な変換ミスです。まずは簡単な例を挙げます。

(例)
・気味が悪い → 君が悪い

・吐き出しながら → 掃出しながら

・心の支えに放ってやるべき → 心の支えにはなってやるべき

 商業出版ゲラの実例です。何万字も打っていればそういうこともあるでしょう。しかし、こういうのを見落とすと冷や汗モノです。
 分かってみれば笑い話な誤変換ですが、分かる前の段階で気を付けるべきポイントを挙げます。

 まず、上のパターン。厄介なのは「君が悪い」という文も意味が通じてしまうところです。文脈で見れば分かるだろ、というのはごもっともですが、読んでいるときは良く分からない表現があってもなんとなく読み飛ばしてしまう。ということが往々にしてあります。これの困った点は、文法が変でも日本語として読めれば違和感として覚えない場合がある、ということです。

 真ん中のパターンは、どうしてそうなった!ってタイプです。これもパッと見ると意味が通じなくはないという点では見逃す可能性をはらんでいます。この場合の厄介さは嘘音読み出来てしまうところです。よく知らないけど「そうしゅつ」かな?と、これもなんとなく読み飛ばしてしまう可能性はあります。「掃き出す」ならそうはならないところ、「掃出す」と半端に送り仮名が省略してあるのも小憎らしいです。

 一番下のパターンは誤変換としてあり得るという意味では注意すべきです。変な部分で漢字になる謎現象ですね。これは見落とし率は低いと思われます。違和感しかありませんので。しかし、忙しさにかまけて見直しを怠った結果、こういう文章がそのまま印刷されることを思うと……怖い話です。

 総合すると、文脈を考えて読み直すことと違和感があれば引き返す。ということに尽きます。意識配分としては上記をご参考にして下されば。

 ということで「誤変換」。大したことはないとはいえ、文字を追っていてバンとこういうものが現れてくると読者も筆者もドキドキです。大事ないよう、ご注意下さい。