第4回 事実確認

 第四回目は校正というよりは校閲の領域になります。事実確認です。

 事実確認とは文字通り「事実」を「確認」することです。
 特定の単語(地名や店名、食べ物や飲み物の名前など)が実際にその通りかを本や辞書、インターネットを使って確認します。ファンタジー小説やSF小説のように、独自の世界観が展開されるような場合はオリジナルの固有名詞が使われることが多いためあまり必要がない作業にはなりますが。

 例えば「井ノ頭公園」。こちら、正確には「井の頭公園」となります。

 些細な問題かもしれません。むしろあえて似て非なる表現をしているのかもしれません。しかし、作品にリアリティを与える現実世界の描写においてはそれが正式名称であるかどうかは大きく関わってきます。
 お酒を飲むシーンで「モスコーミュール」と言っているのにベースを「ウォッカ」ではなく「ビール」などと書いていたのならば、知っている人からしたら興醒めでしょう。地名の間違いも然り、音楽の曲名も然り。
 ミステリーで実在する路線を用いたトリックにおいて電車のダイヤがおかしければどうなるでしょう。
 実在する街を題材にした小説と謳われているのに道順が実際のものと異なっていたり店の名前が違っていたら魅力は十分に発揮されるでしょうか。

 創作だからとは言え、軽視は出来ない部分かと思われます。もちろんノンフィクションであれば事実確認の重要性は著しいものです。

 また、商標登録も事実確認においては気になる部分です。
 こちらは名称が合っているか合っていないかというよりは、登録されているのかどうかなのと、その単語がイメージダウンを招くような描写かどうかです。これが大事になってきます。
 商標登録されている単語は権利として商標法に基づいて商標権として設定されています。登録されている単語については、権利者による商標無断使用の差し止めから損害賠償まで起こり得ます。これは読者への配慮云々ではなく、人の目に触れる形で世に文章が出る場合における商業的リスク回避です。
 某○○ズニーのキャラクター名をそのまま使った挙げ句に悪者として描いたらどうなるか。そういうのは宜しくありません。

 なので、あえて実在の名称を微妙に変えて使うこともよくあります。あと、伏せ字を交える場合も。権利者に使用許可をとるのが難しい場合や、訴えられたり抗議を受けたりするリスクを減らすためです。意識しているのとしていないでそうするのとでは、恐らく書き手の感覚も変わってくると思われます。

 最後に。知らず知らずのうちに商標を使ってしまっている、という場合は往々にしてあり得ます。調べる場合は「特許庁・商標検索」という簡単に検索出来るインターネットサービスがありますので、気になる場合は一度ご確認してみて下さい。