文学作品解読シリーズ1『江戸川悠の考察教室』

arasuji
単位のために適当に取った夏期集中講義は学内一の不人気講義だった……。ボサボサ髪で挙動不審な講師・江戸川悠の超絶マニアックな文学作品の考察講義。
題材は、芥川龍之介の代表作『羅生門』。作品を多方面から考察し、作者の思考をなぞり、作品に込められた真意を暴く!

※裏表紙あらすじから引用。

sanka

kansou
タイトル通り文学考察とも小説ともいえる、変わった色の作品。考察の展開は王道ではないものの、実際に成されたモノで、非常に説得力がある。(賛否はあるかもですが)

読み解き方や展開は『大学の文学部って何してるの?』という理系出身者が納得できるもの。その手法はミステリーを彷彿とさせ「面白い!」とついつい叫んでよいですよね!?

文学考察部分であれば、教えられる、指導させる、気付く、という分かり易い構成。
しかし、当初から名前が出てくる人気作家『村上』の存在で物語としての深みがぐんと、増す。
江戸川と村上の関係は。村上が受講生であり主人公である倉知、同じく受講生の清流院に語った言葉の意味。

単純に知らなかった事を知る、文学への、考察するという世界への
興味をそそられる片軸と
人間関係、深く考察していくことで生まれたこの深みがもう片方の軸となり。
面白さが成り立っている。
(まぁ、おいらが完全理系畑というのも大きいのですが)

少しばかりマニアックなのかもしれない。
しかし、読んでみないと分からないマニアックさはたしかに、ある。

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発行:S.Y.S.文学分室
判型:文庫(A6)  140P
頒布価格:300円
サイト:仮想古書店
レビュワー:森村直也