贋オカマと他人の恋愛

arasuji
歌舞伎の研究者を目指す七瀬耕一。
村上春樹と同じ勉強がしたい、と演劇専修に進んだ隅田周平。
周平の恋人で、いつも周平と一緒にいる七瀬にやきもちを焼く辻堂克巳。

奇妙なバランスを保ったまま過ぎてゆく、三人の大学生活。
しかし、永遠に変わらない関係などありえない。

これから話すのは、壊れてゆく恋の話だ。
なるべく楽しく語りたいとは思うけれど、何しろ結末が決まっている。
それぞれの立場で出来得る限り足掻きもがいたのに、
逃れようがなかった。

俺も、周平も、克巳も。

同性愛 同性愛のように見える異性愛 異性愛のように見える同性愛
様々な形の、純粋な愛がいっぱい詰まった物語です。

※テキレボ2Webカタログより転載

sanka

kansou
タイトルの通り、主人公の七瀬にとっては全てが他人事である。
七瀬自身の恋愛は、気付く頃には通り過ぎていたり。
それでも他人事でも淡泊にもならないのは、七瀬が真摯に付き合い、悩むから。
そんな七瀬自身もかなり普通ではない人生を純粋な目的のために選ぶ。

中心となる恋愛はBLであるが、BLというより文学を読んでいる気がした。
同性愛だし、ゲイだし、オカマなのだが。
七瀬と出会う人々は皆、職にも立場にも存在も関係なく、人との付き合いに真面目で、傷つき、傷つけられ、それにすら慣れ、ただ、誠実に生きている。
誠実だから、出会いが、すれ違いが、どうしようも出来ないことが、もどかしく目が離せない。

夢中で読んだ。
開いたのが休みの日だったこともあり、気付けば一気読みしていた。
BL好きも、ブロマンス好きも、誠実な恋愛を求めている人も、必見と言える。

シリーズにあたる(と勝手に思っている)
『オカマ板前と春樹カフェ』
『邯鄲』
は、Webサイト、作品置き場で読めます。
サイドストーリーの
『僕たちは五家宝(ごかぼ)を食べながら、永遠にファミコンをやるつもりでいた』は、
お知らせ(ブログ)から読めます。

是非、コンプを!

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発行:柳屋文芸堂
判型:A5  98P
頒布価格:0円
サイト:柳屋文芸堂
レビュワー:森村直也