舌足る廻転の下降調

arasuji

遠藤ヒツジ、最新ゼロ年代ポストロック的悪夢小説。
 10年前、大学一年生の冬に書いた小説の骨子を転用して、まったく別次元へ連れていく不条理文学。
 (10年前の小説も併載)

 「舌足る廻転の下降調」
 街に戻ると、季節が反転し、夏が冬になってしまった。
 夏を取り戻すために、幼女から吐き出された胎児と青年が往く街中彷徨譚。
 優しい悪夢の未成家族小説。
 「どんな形でもいい。また三人が出会えたら、それが死にゆくものの真実の幸いだよ――」

 「廻る町で死ぬまで踊れ」
 突如、冬に来られてしまった青年は、片思い駅に行って暴走特急で冬を送り返す方法を聞く。
 冬を探す内に、自身の名前を喪失していることにも気づき、青年が導かれた先には――。
 粗忽疾走センチメンタル小説。
「ぼくは一人、白くて熱い息を吐き出す。胸がもぞもぞとこそばゆくて、熱い。ぼくも一回転半して片思い駅から吐きだされた」

(第4回 Text-Revolutions Webカタログより転載)

 

kansou

アアーッ! およおよする! すごくおよおよする!
「およおよする」の使い方があっているか分かりませんが今の私の気持ちを擬音語(擬態語?)で表すとおよおよです!

私の作風とは真逆と言ってもいいくらい違っていて、私には絶対に表現できない雰囲気です。だからこそ好きです。ファンになりました。
全体的に詩的! むしろほぼ詩! これは確かに朗読していて気持ちが良かっただろうなと思います。リズムが良くて音読したいです。

『舌足る廻転の下降調』
な、何だこれは!?? 悪夢!? 悪夢なの!!???
グロテスクとエロティックって近いところにあるんですね! すごく興奮しました!
虹潟駅員すごく好きです。えろみを感じます。
全部ダッシュでつなげるところとか、カタカナやひらがなの使い方とか、もう本当に、真似できないです。
どこかノスタルジックでもありますよね、不思議。

『廻る町で死ぬまで踊れ』
舌足る~よりは分かりやすい……のか???????
舌足る~では冬を探していましたが、今度は八月二日(冬)に夏を探すお話で、表裏一体の世界観なんだ……と感動しました。つながっているのか……。
やっぱり二次川さんが好きです。三歩あるくとかるく記憶がとんでしまうものですから。私の方は二次川さんとこの台詞を忘れることができません。
二次川さんが好きと言っておきながら、章でいうと「或る町の商店街(聞き込み)」と「駄菓子屋(サイパンの詩人)」が好きです。商店街の人々の個性が炸裂している……不思議な世界に迷い込んでしまった……。でもどこか現実の隙間にありそうな気もするんですよ、だからこそのノスタルジーだと思うんですよ。これが悪夢なのか。

本当に、出会えて良かったー! テキレボアンソロのおかげですね! 読めて本当に幸せです、この気持ち悪さが最高です! またこの気持ち悪さの気持ち良さを感じたくなった時に読み返したいと思います!

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発行:羊網膜傾式会社
判型:文庫(A6) 90P
頒布価格:300円
サイト羊網膜傾式会社
レビュワー:清森夏子