歌は道 道は歌 うたはたう たうはうた

―生きる事は祭りだ―
生きている、とは、なにかと何かを 祭り合わせる・奉り(間釣り)合わせている事(交流と合一、バランス調整、異種間の出会いによる新たな生み出し)で、私が居るからやってくる、私とその何かの出会いの真ん中に起こっている創造の連続のそれを楽しむ事だと感じています。また私にとって歌を創るのは神事といいますか、そんな奉りごとと思うところもあり。というわけで「祭」を幅広く解釈させていただいて、この秋に出る予定の新刊「歌は道 道は歌 うたはたう たうはうた」から、いくつか抜粋いたします。
―四十八音いろはうた―
ひらがな47音+んの四十八音の創作いろはうたです。
「いろはうた」とは…すべての仮名を重複させずに使って作られた誦文(ずもん)のこと。
「色は匂へど散りぬるを…」の47音のいろはうたが「~のいろは」等と既に代名詞として広く使われている事からも「いろはうた」とは全表音文字を全て重複せずに使って出来た歌の事でその形式で作られた歌を指す、という意味で一般名詞化されたものとして題名に使っています。
毎回いろはうたや回文歌を創りながら、新しい作品が出来る度に、日本語の特異性にこれ以上ない面白さと脅威を抱きながら震撼しています。日本語そのものが世界・宇宙のあらゆる万象を一つに重ね含ませ顕わした神の芸術の現れなのだと感じ入るのです。そこには言語表現芸術のみならず無限の創造の可能性が秘められていると感じます。

よあけのはんを てらすやみ  夜明けの晩を 照らす闇
さわめくそこに うかふまゆ  ざわめく底に 浮かぶ繭
おりなせるゐき ほとひたち  織り為せる閾 程日経ち
えもしれぬいろ つねへゑむ  えも知れぬ色 常へ笑む

解説 いき ゐき:閾…ある刺激の出現・消失,または二つの同種刺激間の違いが感じられるか感じられないかの境目。また,その境目の刺激の強さ(閾値)。→ 刺激閾・弁別閾敷居。/敷居。ほど:程…ちょうどよい程度。適度。「日経ち」に「日立」があり「音」が在ります。
これは、「カゴメ歌」を題材にしています。繭=地球を揶揄していると解釈すると面白く、例えば地球表面には沢山の様々なものが覆っています。雲や地磁気、大気層も覆うものの繭の一つと解釈できます。送電網を伝う電気やネットなど人工的な見えない交差し飛び交う光線とイメージするのも面白いです。ある本に書かれていた事で、なにか生物が居ればその生物種に一種類の、一つの種族に一つのグリッドワークが地球を覆うのだそうです。光の繊維で編み上げられたグリッドワークです。地球を覆うこの見えない織物無しに、どんな出会いも無しえないのだそうです。例えばこの広大な地球の上の世に、既に雌雄2匹しか残っていない絶滅寸前の昆虫がいたとして、しかしこの見えない光の織物、グリッドワークをつたいその機能により間違いなく最短距離で出会うのだそうです。子孫を残すために。粘菌のコンピュータのような驚異的な成長システムとその姿を思い出すものがあります。一種族に一つのグリッドワークが存在し、これの消滅がその種族の絶滅を意味し、もし最後の2匹でも在ればこれは出現を継続するが、最後の1匹となった時点でこの種族の織物は消滅し、それがその種の絶滅となるというのです。まさに生命の命綱です。神社にその集散する光の束の交点で人体の宇宙ステーションのような、このグリッドワークを支える重要な役割を感じています。これを読んだときこれは同じことが人同士が出会う事にも言えるのを直観的に感じました。この交点で出会うのだなと。そこにそれら生物ごとに固有の出来る模様が特徴的にあり、人類種の作るこの光の織物の模様は麻の葉模様なのだと言われることに、深く感じるものがあるのでした。「カゴメ歌」の中の「籠目(六芒星:麻の葉文様)籠目 カゴの中の鳥は~いついつ出会う~」この歌詞に様々な意味が折り重なっていると感じます。謳われている「籠」は、この麻の葉カゴメ模様の地球を繭のように包む光のグリッドワークの事だったかと驚くのです。この光の織物の中で、出会うべきもの同士が(敵同士でも)その機能により実際に出会うよりも前に見えない世界でその存在を知り合っている様相を感じます。その光の繊維で繋がっていると。そんな繭の中で、私たちは時間を与えられて、その出会いと離合の中で様々な経験をして何かを育んでいる様相を感じるのです。人の心の深奥に大我があるように、地球を小我のクラウド(雲)が覆っていて、この我の層も我のグリッドが存在しあると感じられ、やはりグリッドワークを作り人の我が無数にあろうとそれは結局一つしかなく、その層と離れていて影響を受けない我の無い人や、どっぷり我のグリッドに入り込み我を育んでいる人がまたいて、結果、地球は我のグリッドワークに完全に覆われてしまうのか、心の深奥の光のグリッドワークを構築する事が出来るのか、その繭からどんな色のどんな笑顔を見せ何が出てくるのか、末法の世で小我の体現:蛾が出てくるのか、大我の体現:ちょうちょう・超蝶、が出てくるのかとよく言われる人類変態の話が出ているいろはうたでした。最後に「常へ笑む」とある事から、その笑顔は、永遠のものとなる、という事で、もし蛾と出てきたなら未来永劫、我の位置が確定し、超蝶と出て来たならその笑顔も、えも言われぬ色=美しさ、でまた、その超蝶がまとうその色=色即是空の意味の色=識=顕現の世、認識の世・現れの世界での出現する素晴らしい世界もまた未来永劫のものである、と畏れ多いトコトワ:常永久、ミロク千年の世の話で結ばれています。

ほんをとる まつりはやしね  盆踊る 祭り囃子音
ふえたいこ あせうろへぬけ  笛太鼓 畔うろへ抜け
みのもにひ くゑゆれおちて  水面に灯 垢穢揺れ落ちて 
さわめきよ ゐなかそらすむ  ざわめきよ 田舎空澄む

解説 くえ -ゑ:垢穢…垢で汚れること。あぜ:畦…土を盛り上げて作った,田と田の境。くろ。この「畦」に境界の意味があり、これがこの世とあの世の境を感じさせる効果となっています。
この歌の中で「うろ」をひらがなにしていますが、これが味わいどころにあり、
う ろ:迂路…回り道。う ろ:有漏…(仏)〔「漏」は煩悩(ぼんのう)の意〕 いろいろな欲望や迷いの心をもっていること。うろ:虚・空・洞…内部が空(から)になっている所。空洞。
うろ…名詞に付いて,不十分な,確かでない,などの意を表す。
これらを含めて、笛や太鼓の音が心の空:うろを元気で満たしてくれる、また同じ意味で逆にそれが、うろ:有漏で満ちた心を、うろ:空にしてくれる、またまた同じくその太古の音が村の畦道や民家の横道に回り込み、陰になっていたところまで活気付かせてくれている、というような風情が重なります。
畦を思うと草葉の陰を感じます。そのようなところに在る存在も浮き上がり、みんなの楽しく高揚した気持ちに乗って一帯に響き渡る音に乗って、あるいは川面に映る祭りの提灯の火に溶けて・・・という夏祭りの風情と慰霊の意義が、共に人々の歓声や音頭の混ざり合ったざわめきを遠く近く運ばれてきた夜気の風に感じて、心象に浮かんできます。そうして見上げた空がそれらが昇華したように空高く澄んでいた、その空を見た、という景色で爽やにもしっとりと結ばれています。
本当はここに花火を感じてて、それをどうにか入れようと頑張ったのですが無理でした。今度また夏祭りで花火を入れて作ろうと思っています。

付記 これは、5,7の逆順(:7,5の歌の順行リズムを打ち消すような、陰の、凪というか、逆行感を感じるものがあり、逆行な、とこう思っています。7,5に言葉を整えると、ただそのままでリズムの波が自然に生れるのを感じます。歌です。それを逆にすると、その波が逆の波で打ち消され不自然な自然というか、負不協和な調和感に不可思議さを感じさせるものが、感じていて、空間が静止する、空気が止まるような、そして7で切られる事で、5が宙に浮き、その帰結、最後の情景をこれを読んだ方の心の中に、最後の景色を投げている、投げられていて、それぞれの方の思いの自由の中に、最後の景色を投げる、預ける、これを読んだその方の心のままにさせる、浮かぶままに、させると投げ、余韻を置く、5,7の逆順の形だと思われます。この白紙の解放感がこれが生れるのが好きなのです。)でと思いながら作った雰囲気が成立し、出来上がってとても思ったように出て来て良かったのですが、正順7,5にしてもまた宜しく(数字は降順ですが、7,5の順のほうが陽の流れとうか順行感があります。この順行にしてもこの世界を楽しめる雰囲気を持った作品に成っており、出てきて、これは、もしや、と思ってひっくり返しただけですが、この順でもとても良く整っていて世界観を持ったものが出来ていました。
まつりはやしね ほんをとる  祭り囃子音 盆踊る 
あせうろへぬけ ふえたいこ  畦うろへ抜け 笛太鼓 
くゑゆれおちて みのもにひ  垢穢揺れ落ちて 水面に灯  
ゐなかそらすむ さわめきよ  田舎空澄む ざわめきよ 
逆にしただけで、これはどちらもそれぞれ世界をちゃんと雰囲気を持ったそれぞれが唯一無二の作品として仕上がっているという、とても珍しい、こんなのはきっと稀有な、陰陽を持った、面白い作品だと思います。私はどちらかというと、ぴったり着地させている順行もすっきりしてて良いのですが、しっかりした着地点を持たせずに宙に浮かせたままで終わる、逆順で7で終わらせ5の行方を、最後の無数に起こる景色の余韻に預けた、余韻を永遠に持たせた、すっきりさせない、素数的な割り切れなさを持った、最後の景色を読まれた方の心に投げる、この逆順が好きだったりします。

―まわりうた 回文歌―
上から読んでも下から読んでも同じ歌になっている歌です。

みなもはゆ いめふなとした さくらなら くさたしとなふ めいゆはもなみ
水面映ゆ 夢舟とした 桜なら 種多枝となふ 命游はも波

みなきよは とほのいかつち うちてりて ちうちつかいの ほとはよきなみ
海凪夜は 遠の雷 うち照りて 宙至ツガイの 陰は良き波

―ともゑうた 巴表裏歌―
上から読むのと下から読むのとで別の歌が同時に成立している歌です。

なかきつな ひきしこゑこひ かなきつと しほしひまたは みやまいとしき
(上から)汝が絆 惹きし声恋ひ 鹿鳴き都度 思慕し日待たば 深山愛しき
(下から)帰しと今 闇は賜ひし 星と月 汝が碑 声 古祠 機微懐きかな


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サークル名:AutoReverse(URL
執筆者名:オートリバース

一言アピール
回文や表裏文(逆読みすると意味が通った別の文になる)で和歌や俳句、散文詩を作っています。今年になって「いろはうた」を創作しはじめました。2冊目の新刊「鏡 歌」(2012~2016の5年間の集大成)と最新作4冊目の「歌は道 道は歌 うたはたう たうはうた」(いろはうたと回文表裏文歌収録)を出品します。

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