シアワセモノマニア
アイレクスの絵空事
僕、ホリィ・ガーランドが運ぶことになった、《歌姫》候補――《種子》の女の子。
親を早くに亡くして辺境の孤児院に育ち、その孤児院の運営費を稼ぐために、
奇跡の力を持つ《歌姫》の種として統治機関《鳥の塔》を目指すことになった。
性格は、のんきな楽天家。好奇心旺盛と言えば聞こえはいいけれど、
目を離すと、すぐふらふら歩き回って危なっかしい。護衛する方の身にもなってほしい。
《種子》の歌う歌には奇跡が宿るというが、本人は何の奇跡も持ってないと言い張る。
ただ、左の瞳が透き通った石――《種子》になっているから、
《鳥の塔》が求める《歌姫》としての才を持っていることは間違いないはずだ。
(2364年4月 ホリィ・ガーランドによる音声記録)