戦乱の大陸を捨てて海に漕ぎ出した張旦は、東海の倭国に辿り着く。そこで彼が出会ったのは聡明な王「イズモタケル」だった。彼の治めるイズモの地で、張旦は平安な暮らしを手に入れるが、しかし、そのイズモにも戦火が迫る。大軍を率いてやってきたのはもう一人の「タケル」――ヤマトの皇子「ヤマトタケル」だった。
サイトで公開中の表題作に加え、web拍手で限定公開した続編『それからのチタリ』、さらには、神功皇后の新羅征討までの数日間を描いた書き下ろしの新作『息長帯比売』も収録。
(創作文芸見本誌会場HappyReading より転載)