2020年10月25日 / 最終更新日時 : 2020年10月24日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 Palm ※注意※ 詳細なグロ描写はありませんが、人をめっちゃころします。 正義とは何か、断罪すべき悪とは何か?示してみせよう、我々は既に気付いていると。お前達は法の番人ではなく、秩序の守り人ではなく、一部の者にとって都合の悪い […]
2019年7月27日 / 最終更新日時 : 2019年7月27日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 Candy box ブラウンの長髪を風になびかせ、パティ・バグウェルは赤いレンガ道を歩いていた。彼氏にプレゼントされた新作ハイヒールは、靴擦れも起こさない優等生らしい。ウィンドウショッピングももう終盤だけれど、足は軽やかなまま。通りかかっ […]
2019年1月20日 / 最終更新日時 : 2019年1月19日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 模造の花は贈れない 「博士Dr.、見て欲しいものがある」 モニターの隣に設置したスピーカーから流れる合成音声に、白衣の背中が僅かに傾ぐ。 「どうした、七号エプタ」 博士と呼ばれた気怠げな風貌の女性は、耳元の高さで外側に跳ねているショートヘア […]
2019年1月18日 / 最終更新日時 : 2019年1月17日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 Gardenia 人を撃ち抜いて血液が飛び散る様は、蕾が花開く瞬間に似ている。すぐに枯れてしんでしまうけれど。散った命をどこかで誰かが悲しむと思うと、心に沁みる美しさだ。死んでも誰も悲しまない雑草くそ野郎かもしれないけど、それはそれ。真 […]
2018年5月31日 / 最終更新日時 : 2018年6月1日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 瑠璃色の夢 「瑠璃の目は、ホンマに綺麗な色やね」 そう言って微笑む母を、涙をこらえて見つめる。 今日の夜には、彼女を見送らなければならないのだと思うと、瑠璃の胸は締め付けられるようだった。 花街の裏路地。藤胡蝶の店。 「前の色も綺麗 […]
2018年5月19日 / 最終更新日時 : 2018年5月18日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 Color glass 広い屋敷を駆け抜ける。曲がり角、太い柱、階段の上。少しでも黒い銃口が見えたら弾道を避ける。想定より大人数だが、問題ない。前を駆ける男――エイベルが、的確に相手を潰している。前方・側方の敵はもちろん、後方の敵を見ずに撃っ […]
2017年8月24日 / 最終更新日時 : 2017年8月23日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 青い氷蜜 溶け切ったブルーハワイが、プラスチックの器の中で撥ねた。 春川至門は、こういう時に自分が頭一つ、他よりも背が高くて良かったと思う。地方とはいえそれなりに歴史のあるらしい夏祭りは人の波が凄まじく、見るべき神輿も、山車も […]
2017年2月5日 / 最終更新日時 : 2017年2月4日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 柊彼方と四月一日 生徒会室の扉を開けると、荒縄で縛りあげられた少年が転がっていた。 「……」 「……」 ご丁寧に猿ぐつわまで噛まされ、しゃべれない彼は、銀縁眼鏡の奥の瞳に涙を溜めて必死に念を送っていた。『助けてください』と。 「……おやお […]
2017年1月21日 / 最終更新日時 : 2017年1月20日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 Joke 大衆向けの喫茶店というのは、案外内緒話に向いている。大声で騒ぐと周囲に丸聞こえだが、静かに話せば雑音がかき消してくれる。できれば、複数人で話が盛り上がっているテーブルの傍を選び、1人客の近くは避ける。 そうして選んだ席 […]