arasuji
美味しい物語、集めました――「食べ物・飲み物」に関する6つの掌編小説アンソロジー。

ファンタジーから現代コメディ、日常ミステリまで、貴方の空腹を満たす極上の物語を「いただきます!」
(サークル様ブログより転記)

sanka

kansou
なないろ世界の食歩記(たべあるき)

「食べ物・飲み物」をテーマにした6つの掌編小説アンソロジーです。
一作ずつ、あらすじと感想を書いていきます。

・うンまいジャムの、その半分 世津路章様

優しい文で綴られる、魔女と少女のジャム作りのお話。
上手に果物の皮を剥き、丁寧に切り刻む少女、クラリッサ。貧しい農村出身の彼女には、実はここに来るまでに辛い出来事があって…。
失敗しても大丈夫。もう一度胸を張ってみよう。そんな気にさせてくれる、優しい暖かなお話です。

・分かれ道はデミグラスソースを入れるか入れないか 柑橘様

腹ペコ系男子が、幼馴染のオカン系男子の家に、夕食をご馳走になるお話。
この腹ペコ男子、斑くんが可愛いんです。図体はデカいのに、中身は子犬のように、クンクン鼻を鳴らしそうな男の子。それを見事にあしらう空くんも可愛い。この二人がじゃれ合うと、相乗で更に可愛いです。
とにもかくにも、可愛い二人を愛でたいお話。余りの可愛さにニヤニヤ必至です。

・ネロ・バリスタ 服部匠様

ヒーローアクションをいつも見事に書き描く作者様の(良い意味で)お約束モノ・ヒーローアクション。
ツボを押さえまくった設定、何故かコーヒーに詳しくなりそうな戦闘シーンに、これでもか!! と作者様の筆が走りまくります。
まずは、読んで下さい。きっと読み終わった後、「面白かった!! 続きは!?」となること請け合いです。

・幻獣料理のレシピ 森村直也様

ちょっとすれた少年に連れて来られた、さえない(失礼)男性のモンスターハンティング。
唱える呪文はプログラム言語。ということは、この世界は?
志倉さんがひたすら痛そうで可哀想で、でもカッコイイお話。
実は作者様のブログに、「禁則小説 『闇球生まれる日常の午後-Logical Fantasy』」という志倉さんの、もう一つのお話がありますので、これを読むと、また感じ方が違ってきます。

・葉桜の頃、桜葉の味 堺屋皆人様

「運命の人」(但し数度目)に出会った青年と、それを見守る友人のお話。ひらすら彼女の作る和菓子を買うしか出来なかった淡海くんが、声を掛けた途端、彼女は…。ちょっと切ない、優しいラスト。読み終わると、餡子モノが無性に食べたくなります。

以上、6編(自作の1編は省いてます)よくもここまで…と思うほど、全く切り口の違う、作者様の持ち味の良く出たアンソロジーだと思います。岡亭みゆ様の表紙、挿し絵も本当に素敵で、まさにいろんなお話が食べ歩けるアンソロジーです。

data
発行:またまたご冗談を!
判型:文庫(A6) 100P
頒布価格:200円
サイト:またまたご冗談を!
レビュワー:いぐあな