したづみ忍法帖


バカでスケベな高校生、吾木隼人(あき はやと)。
幼なじみの少女、風間蝶子にそそのかされ、夏休みに旅に出るハメに。

東京の日本橋から京都三条大橋まで。
東海道五十三次を歩き通さないと、罰として受験まで勉強地獄が待っているのだ。
しかし歩き通せば蝶子に何でも言うことを聞かせられる!
それを胸に隼人は旅を開始する。

しかし、旅の途中でとある事件に関わってしまったがために、
箱根で女忍者軍団に拉致されてしまう。
秘密を守るために死ぬか、忍者になることを強いられた隼人。

果たして隼人のしたづみ忍者生活が始まったのであった。

※公式サイトより引用

これは間違いなく、R12に設定されるも止む無き作品である。

何故ならこれはまさに昭和、いやそれ以前の、本当に忍の者達が日ノ本の地を闊歩暗躍していたやも知れぬ頃からきっと、真夏の少年達が夢見てしかるべき物語だからだ。

勉強ギライでスケベな少年が主人公なら、必ずその脇にはデカイ体育マンとガリ勉秀才クンがいる。
幼馴染は学業優秀な美少女で、何だかんだで自分を気にして振舞ってくれる。
ああもう! この先年号が何に変わろうと、この安定感あるスターティングメンバーは絶対に消え失せる事の無い鉄板オーダーであろう。

なんだかわからないうちに忍びの里に連れ込まれ、
なんだかわからないけど短期間の修行でみるみるうちに強くなり、
あからさまに怪しい悪の忍者の手から、気になるあのコを守って戦う。
ありもしないはず、でも本当は自分の底にも眠ってて欲しい火事場の底力を見せつけて、
機転と勇気で見事悪者を成敗!
普段小バカにされてたあのコに惚れ直されて、
ついでにキレイなくの一お姉さん達からもモテまくり。
うひょー! 最高の夏休み!

襲い来るスケベ(エロではない)! 降り注ぐスケベ(えっちではない)!
「ち、ちげーよ! オレはこういうの好きで読んでるんじゃねーんだよ!」
と、仲間に対しては顔を真っ赤にして否定しつつも、
心と股間を燃え上がらせながら、コミック●ンボン(故)を貪り読むあの感覚!

この国の(ひょっとしたらそれ以外でも)どの時代でも少年達が、
一学期の終わりの夜に必ず夢見て希望を抱いた、ウハウハのアクション活劇!

これは間違いなく、R12に設定されるも止む無き作品である。
これを読むに至った何人たりとも、己の心をR12から15あたりに設定して読むべき、
真夏の少年期の夢である。

感想おっぱい。じゃない、終わり。


発行:AGJスタジオ
判型:A5 48P
頒布価格:500円
サイト:AGJスタジオ

レビュワー:トオノキョウジ