旅人よ立ち止まれ


作者の風野湊さんが、世界一周の旅に出られ、その先々でしたためたエッセイや詩などの作品集です。半年間14か国の一人旅が繊細な筆致で描かれます。掲載国は、滞在順に、シンガポール→ベトナム→インド→トルコ→ギリシア→エジプト→イタリア→オーストリア→ポーランド→チェコ→ドイツ→イギリス→カナダ→ハワイ、です。
巻頭にはカラー写真、各章の扉にも美しい写真が載っています。

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平成勤労婦人詩集


20代の若手から60代ベテランまで、21名の勤労婦人による書き下ろしの詩・短歌・俳句、合計109編を収録。
仕事が楽しい方・辛い方はもちろん、求職中の方、休職中の方、就職活動中の方とも分かち合いたいという思いをコンセプトに「歴史に残らない私たちの日常」を記録した一冊。

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サイファイボーイズエトセトラ


 「空想科学」をテーマにした5つの物語を収録したSF掌編集。
 遥かな宇宙への夢を描いた「向日葵、毒薬、宇宙船」、幸福を約束された理想郷をシニカルに描く「市民の幸福」、超常の力を振るうヒーローのアクションエンタメ「今宵、メン・イン・グレイが」、時間旅行の光と影を描く「ヴィシャス・サークル」、心を持ったロボットの冒険への一歩を描く「ブリキの木こりは夢を見るか」のテイストの違った作品5つを収録。

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猛虎の駆けた道~京師誠忠篇


 元治元年、夏。禁門の変をきっかけに京の都は大火に襲われ、宿屋の野里屋の若旦那である大力は、店と母を失った。途方に暮れていた彼の前に翻るのは「誠」の旗――新撰組の至誠の志に胸打たれた彼は、勘定方として入隊し、日々を過ごすことになる。しかし、彼と新撰組を巻き込んで、歴史は容赦なく激動の時代へと突き進んでいく。

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碧空尽 中国短編小説集三


 「龍の髭」を主宰する春秋梅菊さんによる古今の中国の王朝を舞台にした短編集の第三弾。
 日中戦争下、己のアイデンティティに揺れる日本人を主人公に描いた「祖と、故と」と、明代を舞台に個性豊かな武芸者が活躍する武侠小説『情に溺るるを知れば」の二作を収録。

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円明園 中国短編小説集二


 「龍の髭」主宰の春秋梅菊さんによる古今の中国の王朝を舞台にした短編集の第二弾。
 文化大革命の狂乱の中にある民衆の姿を描いた「壇上の悪意」、唐代の長安を舞台に詩作を巡るドタバタ劇「他人に詩を見せることなかれ」、明の遺臣が紡ぐ滅亡と再起への独白「遺民記」の三作を収録。

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夜来香 中国短編小説集一(1)


 中国を舞台にした歴史短編集。それぞれ清代・元代・民国時代に舞台を設定した三作を収録。
 古典的な志怪小説のセオリーを踏みつつ、素朴な民話世界を展開する「変わりっ狐」。さながら芥川のような、柔らかで長閑な展開なのにどこか残酷な「小さい煩妹」。戦前の郷愁と悲恋を描いた王道短編「口琴」。

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たちきれはなし


 上方落語の傑作「立ち切れ線香」を原作に、上方の花街を舞台にした人情と悲恋の物語。
 旦那に裏切られ絶望の闇に堕ちた北新地の芸妓・小絹は、南地の紀ノ庄の娘芸者・小糸とのふれあいの中で次第に生きる希望を取り戻していく。しかしある時から、小糸は船場の若旦那との恋に溺れていく。かつての自分を小糸に見出す小絹はしかし、その恋を止めることは出来なかった。
それが、悲劇の始まりとも知らないで――(創作文芸見本誌会場HappyReadingより)

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美の女神、海へ還る


  ルネサンス絵画の最高傑作の一つ、サンドロ・ボッティチェリの 《ヴィーナスの誕生》。そのモデルといわれた女性が、画家ボッティチェリに宛てた手紙には、とある真実が秘められていた。書簡体小説。他に、フィレンツェの人々の独白によって描かれるボッティチェリと、ルネサンスを代表するとある画家の物語『放蕩息子―シモーネ、フィリッピーノ、そしてジャコモの場合―』を収録。

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トランスポーター2 ~オペレーションスカイブル- ~


おそらく第一次大戦の前後くらいとおぼしきヨーロッパの架空の国が舞台。
帝政下で鉄道貨物の管理輸送に従事していた、輸送管理官《トランスポーター》の活躍を描く。
革命によって帝政が崩壊して間もない某国。鉄道貨物の管理輸送に従事していた輸送管理官《トランスポーター》のカートは、ある日、厄介な貨物輸送を担当することになる。その貨物とは、革命政府による処刑の手を逃れて亡命を果たそうとする、帝国最後の皇女メリーだった。カートは革命政府の手をかいくぐり、彼女を帝都から脱出させることはできるのか…。

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