さんた・るちやによる十三秒間の福音(2)


舞台は近世初期、キリシタン弾圧の嵐吹き荒れる長崎。
長崎奉行所同心の山中孫四郎は、その剣の腕を見込まれて、
キリシタンたちの斬首を執り行うことになる。
そして孫四郎は刑場に引き出されたキリシタンの女、
「るちや」の最期の願いを聞き届けるのだが――。
迫害と救いの残酷を描く表題作をはじめ、
『平家物語』の「重衡被斬」に取材した伝奇短編『或る罪人の死』と、
チャップリンの名作映画『モダン・タイムス』を、
幕末の上野戦争を舞台に翻案し、
維新というモダン・タイムスの黎明に立つ二人の絆を描いた『smile』の計三編を収録。
サークル「史文庫~ふひとふみくら~」初の歴史・伝奇小説短編集。
(著作者様サイトより転載)

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出雲残照


戦乱の大陸を捨てて海に漕ぎ出した張旦は、東海の倭国に辿り着く。そこで彼が出会ったのは聡明な王「イズモタケル」だった。彼の治めるイズモの地で、張旦は平安な暮らしを手に入れるが、しかし、そのイズモにも戦火が迫る。大軍を率いてやってきたのはもう一人の「タケル」――ヤマトの皇子「ヤマトタケル」だった。

サイトで公開中の表題作に加え、web拍手で限定公開した続編『それからのチタリ』、さらには、神功皇后の新羅征討までの数日間を描いた書き下ろしの新作『息長帯比売』も収録。

(創作文芸見本誌会場HappyReading より転載)

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さんた・るちやによる十三秒間の福音


舞台は近世初期の長崎。吹き荒れるキリシタン弾圧の嵐と、殉教者たちの姿を刑場の役人たちの視線から描く表題作をはじめ、『平家物語』屈指の名場面「重衡被斬」に取材し、南都の夜を描く『或る罪人の死』、チャップリンの名作映画『モダン・タイムス』を幕末の上野戦争に舞台を移して翻案した『smile』の三作品を収録した歴史と伝奇の短編集。

(創作文芸見本誌開場HappyReading より転載)

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総督と画家 孔雀の羽飾りの帽子をかぶった男のヴァニタス


17世紀初頭、東アジア交易によって黄金時代を迎えたオランダの都市デルフト。
裕福な商人の子でありながら、駆け出しの肖像画家として工房に出入りするクラースは、バタヴィア総督ヤン・ファン・アメルスフォールト伯爵に雇われて彼の肖像がを手がけることになる。ところが「海賊」とあだ名される彼の評判は頗る悪く、クラースもまた大いに振り回されるのだが、その意外な一面を知ったとき、二人は身分や立場を越えて心を通わせていく。
オランダ絵画をモチーフにした物語。(Amazon.紹介頁より)

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黒南風の八幡~隻眼の海賊と宣教師の秘宝~


17世紀初頭、大航海時代末期。日本の近海には当時、幕府の鎖国令にも縛られず、世界の海を駆けた「八幡」と呼ばれた海賊たちがいた。
隠れ吉利支丹として人目を忍ぶ生活を続けていた平戸の刀鍛冶・右近。弾圧の末に奉行所に捕縛された彼を助けたのは、「黒南風の燕」と呼ばれ、オランダ人やスペイン人にも怖れられた伝説の八幡・麝香燕だった。
二人は何者かに連れ去られた右近の師である宣教師フェリペ・デ・ディエゴの行方を追って、鎖国下の日本を飛び出すが、二人の前に立ちはだかったのは、当時、東アジアを支配していたオランダ東インド会社だった!
(サークルサイトより)

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青墓


 嵯峨・清涼寺の僧である光陰は、知人の供養のために美濃国野間庄内海を目指して中山道を旅していた。しかし、老曾の森を越えたところで夜になり、その日の宿に困っていると、そこに不思議な女性が現れる。
 その女性は盲目であった。琵琶をかき抱き、白い小袖をかぶり、童女に荷車を牽かせて夜道を行く、その奇妙な風体に光陰は恐れを抱くが、彼女は宿のない光陰を哀れに思い、光陰を青墓の遊女宿・万屋へと案内する。
 この万屋こそ、青墓宿一の遊女宿であり、この盲目の美女こそ海道一の遊女と称される万屋抱えの遊女・獅子吼御前だった。  光陰はその晩を万屋で明かすことになるが、深夜も過ぎると夢うつつのあいまに次々と怪異に見舞われる。暗い廊下を行き交う武者の影や、馬の嘶きに光陰は翻弄され、ついには何者かに矢をいかけられて九死に一生を得る。
 光陰は、謎の美女・獅子吼御前の正体を明かそうとするが、しかし、その獅子吼の手によって思いがけない真実が明かされる。光陰が何故この青墓という土地に導かれたのか――、中世の因果が描かれる。
(文学フリマウィキより引用)

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