半分のトランプ


 新葉高校新聞部では今回発行する紙面の内容を奇術サークルと手品部の統廃合をかけた対決に決めた。その取材のために訪れた奇術サークル主催のマジックショーで事件が起こる……

 写真が無くて残念ですがこの本、まず見た目がカッコいいんですよ。厚めの表紙に切込みを入れてタイトルの通り本物のトランプを半分見えるように挿してあるんですよ。センスがいいなぁと思い、つい手にとってしまいました。

 内容自体は良くあるミステリー、といえばそうなんですが、この作者の学園系恋愛ものも読んでみたいなと思わせる雰囲気でよかったです。
全体的にほのぼのしていて私みたいな「ミステリーって敷居が高いなぁ」とか思っている人にはちょうど良い1冊だと思います。

 この手の話は基本的に問題が解決する事が前提となっているので、「犯人がどれだけ主人公を苦しめるのか?」が話の印象を大きく左右すると思うのですが、そういう部分でも面白い本だと思いました。
あとがきに連作ものとしてはじめたとありますので、続きを楽しみにしたいと思います。


発行:妄人社
判型:A5 50P
頒布価格:不明
サイト:妄言録

レビュワー:御拗小太郎