【お姉さんの写真】(第四十五夜)

 私は、鬱による自殺願望に悩まされていた。
 探し物をしていたら、古いアルバムが出てきた。懐かしく思いページをめくっていると、幼い頃の私とその後若くして自殺してしまった近所のお姉さんと一緒に写っている写真を見つけた。
 あれ、と思った。二人共自然に両手を脇にたらして並んでいたはずなのに、お姉さんの左手が私の肩に置かれていた。
 その夜の鬱症状はひどかった。こんなに苦しい思いをするなら死んだ方がマシだ……
 発作に眠れぬまま、何気なくまたアルバムを見た。私は、息が止まるかと思った。
 お姉さんと私は後ろ向きになっていて、お姉さんが私を連れて行こうとしている!
 怖ろしくなった私は、薬を飲んで眠った。
 次の日、私を心配した友人からお守りが届いた。
 恐る恐る件の写真を見ると、私だけが一人正面を向いて立っていた。