かの戦争がなかったら。この国は世界はどうなっていたのだろう――。
想像の赴くまま紡がれた歴史短編集。
とても歴史にお詳しい、だからこそ書ける小説なのだと思いました。だから、歴史!というだけでなくSF風味もある面白い本です。
そして、どことなく松本零士先生のマンガを小説にしたような雰囲気があり、帝国海軍老人は思わず笑ってしまいました。おじいちゃーん!!(笑)
欲を言えば、大東亜戦争がなかった場合という仮定が何故成り立つか、というあたりも書いてくださると、もっとおもしろいかなぁと、個人的に感じました。
世界の国家間はこういう関係で、軍事はこういう関係で~みたいな!
あとがきにあった、今とは隔絶した日本、私も確実に戦後世代であり、どんな本を読もうとも、アメリカの教育の洗礼からは逃れられないのかとも思ってみたり。
くすりと笑いつつ、世界視点で歴史を振り返る気持ちにさせてくれる本でした。
発行:駿河南海海軍工廠
判型:文庫 98P
頒布価格:500円
サイト:駿河南海海軍工廠
レビュワー:神風零