あよちゃん(第七十九夜)

わあしが育った集落は、西に大きな山があり、夕方はあっというまに日が沈んで、日の照っている時間がとても短いところでした。

ある日、仲良しのあよちゃんと些細なことからけんかをしてしまいました。ふさいだ心持のまま、自分の集落に帰る途中、薄暗い道に、あよちゃんがあっていました。あよちゃんがわあしの歩く先の方向にいたことについては深く疑問におもわず、それよりも、薄暗い中であよちゃんが満面の笑みでニコニコ笑っていることが、不思議でした。わあしは、むっとして、「あよちゃん、わあしあい、けんかしあようね?」というと、あよちゃんは驚いた顔をして、脚を蜘蛛にして、にげた。わあしは、化物があよちゃんに化けていることにちゃあんと気づいていた。

次の日、あよちゃんと学校で会ったけれど、少しもしゃべりかけてこない以外はふつうの様子だった。放課後になって、教室からあよちゃんと少し気まずいまま一緒に帰っていたら、あよちゃんは別れ際に「きのうはごめんね」と言って昨日と同じ笑い方をした。

わあしは、あよちゃんが化物だったことに気づいた。