小坂君(第七十四夜)

わたしには小坂君という友達がいます。

小坂君の話をしますね。

髪は黒くて目も黒いです。肌も黒くて、あまり健康そうには見えませんが、運動はできるほうだと思います。爪はきれいな楕円形です。

いつも一緒にいます。

話をすることはあまりありません。小坂君は言葉をしゃべれないのです。でも、わたしの言うことは理解してくれます。

二人で毎日散歩をします。

人通りが多い道をすいすいすり抜けます。

小坂君と一緒だと、どこへでもいけるような気がします。

わたしはちらりと時計を見ました。もうお昼の12時です。

小坂君。

私が名前を呼ぶと、小坂君は動き出します。

通りすがりの男の足を掴みます。ひきずりこみます。男は声すら出せません。小坂君を隅に追いやって、わたしの中でくちゃくちゃしておしまいです。

こうして私のご飯が終わりました。

美味しかった。ごちそうさま。

小坂君がキィキィと悲しげに鳴きますが、つよく踏み躙り黙らせます。

小坂君はとてもいい友達です。