【困惑】(第三十二夜)

 確かに、君達はもう充分我慢した…とは言った。自分たちの居場所を確保するのに、もっと主張したっていい…とも言った。
 でも、だからって、どうして、君達の存在を擁護していた私が、まだローンの支払いがたっぷり残っているマイホームを、君達の大集団に乗っとらなければならないのだ。
 街なかは、私と同じように妖怪たちに自宅から追い出された人でごった返している。
 やがて夜は更け、数十年に一度の大寒波が到来した。