彼女と出会った頃は、毎日が新鮮でワクワクしていた。
次に会える日を指折り数え、それを励みに日常をやり過ごしていた。
初めてのドライブも、初めての遊園地も、初めてのホテルも、どれもかけがえのない瞬間だった。
でもそんな時間の終止符は突然打たれ、僕にはそれが耐えられなかった。
だから僕は、全てを封印すると決めたんだ。
その、不愉快な言葉を発する口を塞ぎ、ずっとずっと一緒に居ると決めたんだ。
足下に横たわる彼女は、生前の可愛らしさの欠片もなく、滅びの刻を刻んでいる。もうすぐ腐敗する作業も終わり、白い骨だけになるだろう。
今日も僕はそんな彼女をじっと見下ろしている。
理解されないだろうが、こうして彼女と同じ時を刻むのは、本当に至福だと思えた。永遠という言葉の意味を、実感していた。
そんな僕の身体も、もうそろそろ頸に食い込む縄からずり落ちそうなほどに腐乱してきた。やがで彼女を見下ろすのではなく、いつかのように重なり合えそうだ。
永遠の刻を、この場所でずっと……。
僕の腹から落ちた蛆虫が、彼女の蛆虫と重なり、そっと口づけを交わした。