これも東玉川学園に住んでいた時のことです。祖母からプレゼントで貰ったオルゴールは、どこか調子が悪いのか、いきなり鳴り始めることがありました。どうやら、どこか歯車が引っ掛かっている様子でした。何かのキッカケに歯車が回り始め、急に鳴り始めるのです。夜中にばかり鳴るオルゴールは、夜更かしをする祖母を思い出させ、私の密かなお気に入りでした。怖い本を読んだ後、恐る恐るトイレに立つ私を、励ましてくれたこともありますし、受験勉強に飽きて夜中までゲームで遊んでいた私を叱ってくれたこともあります。ただ、残念ながら、鶴川に引っ越してからは、めっきり鳴らなくなってしまいました。それどころか、いくらネジを巻いても、鳴らなくなってしまったのです。ついに内部機構が駄目になってしまったのでしょうか。そのことを妹に言うと「ほんとに気づいてなかったの? 多分、皆、気づいてたよ。飼っていた犬だって、よく何もない場所に吠えてたでしょ。あれ、絶対にお化けの仕業だって」。