古着(第九十五夜)

たまたま覗いた古着屋で、ちょっと気に入ったものを買った。

帰宅して、その服をよく見ると、長い髪の毛が一本、胸元にはりついていた。つまもうとしても、つまめない。

しょうがないので掃除機を出してきた。吸い込んでも、吸い込んでも、外れない。

吸い込み口に服をくっつけて、ごりごりと表面をなじっているうちに、布地に穴が空いてしまった。

髪の毛が、ぱらりと床に落ちる。