何となく思い立って、一枚の油絵を描いた。
一人の半透明の身体をした魂が、宇宙の果ての果てでひとりぼっちで立ち尽くし、虚空をながめているという絵だ。
魂と魂の立っている土地も星も白でその他は黒に近い紺の、寒々しくぞっとするほどの孤独感を感じさせる絵になってしまった。
その夜寝入って気づくと、金縛りになっていた。怖ろしい事に全身は宙に浮き上がり、周りはびゅうびゅうとすさまじい風が吹いていた。何者かの冷ややかな悪意を感じる。
「悪霊退散!」
俺は、聞きかじった呪文を必死で唱えた。
途端に風はぴたりと止み、金縛りも解けた。
助かった……
ほっとして目を開けると、漆黒の闇が目の前に広がっていた。
自分が描いた宇宙の果てだ、と気づいてがく然となった俺の目の前で、キャンバス大の現実への扉が閉じていった。