神パック(第九十一夜)

八月の太陽にせっつかれ、五〇〇ミリリットル入りの神パックジュースを購った。隣に山と積まれしリンゴジュースは税込一〇五円であったが、神とグレープフルーツは税込一〇八円であり若干、納得ゆかぬ。輸入関税であろうかとぶつぶつ。裏返したらば成分表示。神汁三十パーセント、残り七十パーセントは果糖ぶどう糖液糖と砂糖と香料などなど。着色料・保存料は不使用。一〇〇ミリリットルあたり熱量一〇八キロカロリー。さっきから数字が仏陀氏のほうにはみだしておるあたり安定の日本。直射日光をさけて保存、賞味期限はパック底に記載、されど底は真っ白な食品衛生法違反である。早く飲みたしと思えども、よく振ってからお飲みくださいとある心をこめて猛烈に振った。ちゃぷちゃぷじゃぷじゃぷ、ごそごそがさがさ、きいきいぎい。開け口はふやけており何としても開かぬ、開かぬ、爪をたてる、神、めくれる。爪をたてる、神、開く。ぶすりとストロー、吸い込めば、急遽肩叩きされびっくり振り返る。神、ちとこぼれる。

「仕事だぞ」

声はすれど、誰ひとりおらなんだ。