俺たちのザ・ソウ
「この国の若者は優秀だが、確かに喧嘩の仕方を知らねえ。
だがな、それを代わりにやってやるのが俺たちアタマの仕事だろうが!」
極東震災から一ヶ月。
災害の傷跡深い火迎市では、復興事業を牛耳るNPO法人の予算使い込みが横行し、
町を甦らせようと集まった若者達の意思と力を阻んでいた。
未だ復興の兆し見えぬ町。発電技術研究所を狙う魔の手。
己の無力に打ち拉がれる若者達の前に、あの男が帰ってきた!
最強の解体屋麻羽壮太郎が、巨大チェーンソウとショットガンをその手に、
瓦礫と巨悪をぶった斬る!
これは、この国の下り坂に立ち上がる、
俺たちのヒーローアクション・ストーリーである。(ブログ、本より転載)
面白かったです!
出だしからグッと惹きつけられ、一気に読んでしまいました!
麻羽さんの出鱈目な強さとカッコよさにしびれました!
若者たち、しかも学も無ければ権力も無い若者たちの、まさにヒーローのおじさん(年齢的にはお爺さんかもですが)!
そのヒーローっぷりが、自分も力を振るい、そして若者たちの力を上手く使わせてやる、この二面を重ね合わせているのがとてもカッコいいです。
設定から社会派の作品かと思っていたら、まさにエンターテイメントで驚かされました。
これぞライト脳ベル!
建築会社の解体作業するおっちゃんが、日本を『ディゲスター』(なんかラノベ的なエネルギー物質)を利用する巨悪を倒す。
武器・ショットガン、チェーンソー、鋼の肉体、信頼できる仲間。
ザ・エンターテイメント!
アクションシーンもド迫力ですし、若者たちとワイワイやってるシーンも楽し気でした。
個人的に印象に残ったのが、救助活動を怯えて尻込みする和名に、喝を入れるシーンです。
罵倒するわけでもなく、甘やかすわけでもない、ただ、やるべき事やろうぜ! という意図の喝。印象的でした。