2017年9月22日 / 最終更新日時 : 2017年9月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 歌は道 道は歌 うたはたう たうはうた ―生きる事は祭りだ― 生きている、とは、なにかと何かを 祭り合わせる・奉り(間釣り)合わせている事(交流と合一、バランス調整、異種間の出会いによる新たな生み出し)で、私が居るからやってくる、私とその何かの出会いの真ん中に […]
2017年9月22日 / 最終更新日時 : 2017年9月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 空の社、祭りの夜 今日は地元の御社の夏祭り。 普段は遠くの学校で寄宿舎生活を送る僕も、この日だけは地元に呼び戻されて祭りに加わる。 お祭りと言っても祭事が何かあるわけじゃない。ただ神輿が回り出店が並んで人で賑わうだけ。 赤い提灯が […]
2017年9月21日 / 最終更新日時 : 2017年9月20日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 踊れ生命、回れスーパーボール 怒り心頭に発したら、明かりを消したお風呂に入ることにしている。闇の中でかたく目を閉じていると、怒りは燃えさかる炎から静かな石炭へと変わる。消えてなくなりはしないけれど、化石燃料なら地層に埋めて忘れたふりをすることはでき […]
2017年9月21日 / 最終更新日時 : 2017年9月20日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 二百十日 ちりん、と風鈴が鳴った。 夕暮れに向かう空の色は澄んだ青で、真夏の鮮やかさから秋の気配を帯びた深い色合いに変化していた。今日は夏の終わり、二百十日にひゃくとおか、風鎮めかぜしずめの祭りの日。暦の通り朝から強い風が吹き […]
2017年9月21日 / 最終更新日時 : 2017年9月20日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 さすらうほこり 山麓の空が白みを帯び、東方より日が姿を現した。 晩夏の朝、シカライガワ村では決まって風が吹く。東の山を駆け下りた風が小川に沿って開けた地をゆき、西の谷をのぼる。青草は湿り気をおびた風を浴び幾万の露を宿した。 村の老 […]
2017年9月20日 / 最終更新日時 : 2017年9月20日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 イル・カルネヴァーレ・ディ・ヴェネツィア 謝肉祭カルネヴァーレ、すなわち「肉よカルネ、さらばヴァーレ」。復活祭パスクア前の四旬節、主の受難を悼む四十日の断食と物忌みに備え、人々は心ゆくまで肉を食らい、祭の歓楽に身をゆだねる。 各地に名だたる祭はあれども、ここ […]
2017年9月20日 / 最終更新日時 : 2017年9月19日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 圓谷古道具店 祭 「骨董市っていうか……」 傍らで加代が渋い顔をする。その声は落胆したような、呆れたような。 八月のある日、我らが圓谷古道具店一同は町の中央部に位置する神社の夏祭りに来ていた。近所の小さな神社と違い、屋台なんかも出るそ […]
2017年9月20日 / 最終更新日時 : 2017年9月19日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 巫女姫と八咫烏 颯矢太はやたが旅に出る、と聞いたのは年が明けてすぐだった。雪の少ない時期を待って、出て行くのだという。 時々外に出て、訓練をしているのは知っていた。だけどとうとう、その時が来てしまったのだ。 かつて国には八百万の神 […]
2017年9月19日 / 最終更新日時 : 2017年9月18日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 神にささげる肉 あっ、先生お忙しい中時間を作っていただき、ありがとうございます。 お電話の時にも名乗らせていただきましたが、わたくし、岸屋文章きしやふみあきと言いまして、そちらの名刺に書いてあります通り、フリーのライターを生業にして […]
2017年9月19日 / 最終更新日時 : 2017年9月18日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 いとかなしきあわれなる 盆踊り、というものを蛇骨じゃこつは初めて見た。賑々しい音楽に合わせ、人々が櫓を取り囲んで舞い踊っている。櫓の周辺には屋台が立ち並び、射的に輪投げ、綿菓子に焼き唐黍、人々はおのおのに祭を楽しんでいた。 埃っぽい空気と熱 […]