2018年6月9日 / 最終更新日時 : 2018年6月9日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 招待状 ようこそいらっしゃいました。 こちらはテキスト系同人誌即売会Text-Revolutions内ユーザー持ち込み企画「300字SSポストカードラリー」。 前回1日で7000枚が動いたポストカードの海でございます。 […]
2018年6月9日 / 最終更新日時 : 2018年6月9日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 黒い海と金の冠 遙か北東の十字路を行く 1 曹操の通った道 一〇〇年前に魏武ぎぶ・曹操そうそうの軍団が通った道を私達はたどっていた。 ただし曹操のように数万の兵を率いているわけではなく、ましてや張遼ちょうりょうのような猛将を連れているわけでもない。私達の目 […]
2018年6月9日 / 最終更新日時 : 2018年6月9日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 7月は悪夢の季節 7月は悪夢の季節 作:ばんりたかひろ 7月も半ばとなった風のない日に彼は大部の、とある一冊の本ーつまり私だーを携えて、トウキョウの凪いだ静かな海岸にやって来た。その目的は、大切に運んできた私に書いてある事を読み解き終え […]
2018年6月8日 / 最終更新日時 : 2018年6月7日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 モルグ海の殺人 列車に乗りはじめてからしばらく経ったころ。オレがにわかにそわそわするのを見て、 「お兄ちゃんなら、担当している事件が山場をむかえているらしく、しばらく寝泊まりしていますから、こっちにはやって来ないですよ。」 と、ボック […]
2018年6月8日 / 最終更新日時 : 2018年6月7日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 島に伝わる二番目の足削ぎ師についての記録 えいらは牡蠣の殻にも似た、ぎざぎざのふちを持つ楕円のベッドに寝かされていた。冷たさも暖かさもなく、世界とイベントが同じ温度だ。藤色の波紋を持つ縞瑪瑙のベッド、もしくは食卓だと、肘をついて身を起こした時に気づいた。えいら […]
2018年6月8日 / 最終更新日時 : 2018年6月7日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 ケヤキノ海 毎週金曜日。仕事が終わると、いつも乗る電車とは反対の電車に乗り、最寄り駅とは違う駅で降りる。途中のコンビニで缶の梅酒ソーダを二つ買ってから、再び足を進めていく。見上げるほど高い建物が立ち並ぶ中、そのうちの一つ建物の前で […]
2018年6月8日 / 最終更新日時 : 2018年6月7日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 海の忘れもの 「ね、行こ」 昼のぼやけた陽光を背にして、貴海きみが僕の腕を引っ張った。昼寝から覚醒したばかりの僕はひ弱な少女のすらりとした、長いだけの腕に抗うこともせず引き起こされる。 これだけのことに疲れた貴海はうすっぺらでひょ […]
2018年6月7日 / 最終更新日時 : 2018年6月6日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 我海想わざれど、海無き事なし。 「深山の 巨木倒れる 音ありや 波立つ潮 人の知らずも」 -人里離れた山奥で、倒れる木の音がしたかどうかは、誰も知りません。けれど、人が聞かなくても山奥で、波立つ大海で、その音はしたのです。 「時は夏 自分の足が 恨めし […]
2018年6月7日 / 最終更新日時 : 2018年6月6日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 泡沫の墓標 「うん、冷蔵庫におかずが入ってるから食べてね」 防波堤に腰掛けた青年が、携帯電話を片手に話し始めてそろそろ三十分が経つ。 声がやけに甘ったるいから、電話の相手はきっと妹だ。彼は年の離れた妹が可愛くて仕方ないらしく、そ […]
2018年6月7日 / 最終更新日時 : 2018年6月6日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 海と金魚 1. 金魚は海では生きられない。 海に辿り着くにはまず水槽から出なければならない。万に一つもありえないが、その檻から出られたとしても、青い楽園に見えるそこは地獄だ。 でも、それでも、彼らの憧れは海なのだ。 2. ドアを開 […]