20代の若手から60代ベテランまで、21名の勤労婦人による書き下ろしの詩・短歌・俳句、合計109編を収録。
仕事が楽しい方・辛い方はもちろん、求職中の方、休職中の方、就職活動中の方とも分かち合いたいという思いをコンセプトに「歴史に残らない私たちの日常」を記録した一冊。

 文フリ名物といっても過言ではない、給食着による接客でお馴染み「鰊パイ互助会」さんは、いつも「料理」「食」といったテーマで様々な本を出版していらっしゃいます。この『平成勤労婦人詩集』はそのタイトルの通り、現代の働く女性たちの声が詰まった詩文集なのですが、「食」をテーマにされている「鰊パイ互助会」さんにしては異色のテーマに見えます。しかし、「たぶん後世に残らない私たちの日常を書き留める」という意味では、同一線上のテーマなんですよね。
 本書を一読した感想はまず、「勤労婦人たちの阿鼻叫喚」
 労働への苦悩が、五体に染みわたります………
 みんな同じことで悩んでいるんだな、とちょっとホッとしたり、「あるあるー」って共感して思わずクスリと笑ったり、とにかく一緒に一喜一憂できて、おもしろいったらない。
 そこに書きとめられた21人の女性たちの声は、確かにありふれた日常なんだけれども、これこそ将来に残すべき市井の声のように思います。
「きっと残らない日常を残す」という主宰さまの当初の理念は大成功だったのではないでしょうか。
 お茶くみ、コピー、シュレッダー、肉体労働、領収書、給料日……いろいろな毎日がそれぞれにある。
 新書版の判型だし、表紙もシンプルなのにカワイイ。(しかし、それでいて風刺が効いているピンクのピクトグラムには要注目だ!)
 いや、これは絶対におもしろい。勤労の痛みや喜びを知る者なら、性別世代問わず、楽しめるんじゃないかな。


発行:鰊パイ互助会
判型:新書版 156P 
頒布価格:500円
サイト:作ってあげない、非モテごはん

レビュワー:唐橋史