鵺が来たりて
天ツ国、第捌拾弐区。
そこは黒に覆われた常夜の区だ。
わめく鐘の音が常夜の主の襲来を触れて回り、そして今宵も夜攘い衆は夜を踊る。
明けぬ夜と、鵺との狂宴の物語。(ペーパーより)
読み始めて3頁目には、格好良さに痺れていました。ちょっと強めで深い芳香の洋酒を喉に流し込んだような、文章。
まるで活劇を観ているような、引き込まれる高揚感、ストーリーの端々からちらりちらりと見え隠れする、底の深い世界観。アクションシーンは何度も読み返したくなります。
主人公の背景に匂わされているこういう設定が、とても好みでした。そして同梱されていた付録ペーパーの短編が、とてもとてもとても可愛いです。もう好きに呼べ。猫の仔か……。
発行:階亭
判型:A5 34P
頒布価格:300円
サイト:階亭
レビュワー:呉葉