真夜中の生存遊技

arasuji
真夜中に開催される子供達だけのサバイバルゲーム。
優勝者は何でも望みが適うという。
教師の家に生まれた少年シアンは、ある日、招待状を受け取った。
(ご本人サイトより抜粋)

kansou
森村作品を本で読むのは楽園の子供たちに続き二度目になります。
が、また雰囲気が違う作品で楽しめました!

表紙や前評判からハードボイルドなイメージを勝手に抱いていましたが、確かにそういう側面もあるのですが、それよりも女性的な丁寧な人物描写に心惹かれました。
ミステリばかり読んできた者としては、序盤でサラッと出てくる『飴』の存在が気になってですね…あと、このゲームは誰が何のためにとか、幼い頃に親しかったあの人は変わってしまったのか?とか、色んな『引き』が散りばめられてて、物語が転がり出すとページをめくる手が速まりました!

主人公シアンとアイゼさんの関係性も個人的に萌えだし、アイゼとラーズ、ラーズとシアンの関係もそれぞれ複雑で好きです!もう、この三角関係が胸熱で…!アイゼさんマジヒロイン…!ほんでラーズさんはズルい…!
読後感もとても好きです。
森村作品は硬質(あと高質)でクールだけど冷たくは無く、銀細工みたいなキラキラした輝きを感じるなぁと読む度に思います。スペースの印象そのものだなぁと。
素敵な時間をありがとうございました!

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発行:HPJ製作工房
判型:新書版  154P
頒布価格:300円
サイト:HPJ製作工房
レビュワー:堺屋皆人

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