光塔館異人録

arasuji

与えられたのは、一軒の家。

その広すぎる空間に耐えきれず、自覚のないお嬢様・塔崎洸香はキーを叩く。
『ハウスメイト募集』

友達に来てもらうとか、動物を飼うとか、他にも色々考えた。
でも私が欲しいのは話し相手でも、心を許せるペットでもない。
ただ、この家のどこかに存在するだけの「他人」だったのだ。

これは、大家となった少女とハウスメイトたちの物語。

十年ほったらかしてた小説がまさかの完成。
個性豊かなハウスメイトとの生活で塔崎洸香の望みは叶うのか?

※殺人事件は起こりません。

「僕、そういうのわからなくて」
  『ハイパー情報弱者』 金岡 優 

「騙されるほうが悪いんだよ」
  『XXX』 山田 瑞希 

「――これは、霊の仕業ね」
  『霊能力者』 山野辺 銀 

- ようこそ、光塔館へ -

(第6回Text-Revolutions Webカタログより転載)

kansou

何度も読み返しています。

普通の気分の時に読んでも楽しく、いろいろぐるぐる落ち込んでるときに読むと気分がスパッと爽快になる、そんな感覚がする御本だなぁと感じております。

読み始めて数年、読んだ感想そのものはあまり変わっていなくても(好き!面白い、楽しい!グッとくる!)、だんだんと、一文一文のワンシーンが心にしみ始めて、ああ、キャラクターのみんなもこういう気分だったのかな、としんみりと温かい気持ちになって、連帯感?みたいなものを、初読時よりも感じ始めています。時々無性に光塔館に立ち寄ってなんとなく住人になりたくなる感じの御本だな、って。

初読時より好きだった第一話P14「でも私が欲しいのは~ただ、この家のどこかに存在するだけの「他人」だったのだ。」を、もっと身近に好きになり始めました。年数を経て「光塔館異人録」をより身近に感じるたびに、なんとなく、私も大人になったんだ…と、感じます。

こういう、温かくて、みにしみて無性に泣きたくなる温かい気持ち、ノスタルジーっていうんですかね、詳しくなくてすみません。こう、ふるさと館がすごくする……! すごく、グッときて、爽快な気持ちになるので、「楽しい気持ちになりたいな」な方にも、「いろいろうまくいかないな~なんでぐるぐるしてんだろう」な方にも、おすすめの一冊です。気分がすかっとします。第一話ラストP54、洸香ちゃんにすかっとします。洸香ちゃんの性格と言動いいなぁ!

大好きです「光塔館異人録」♪

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発行:SiestaWeb
判型:文庫 96P
頒布価格:450円
サイト:SiestaWeb
レビュワー:納豆