変色効果


女流文芸サークル【鉄塔】による、短編集です。

一言ずつですが、ほぼすべてにコメントつけてみます。

「ばかもの」は幼いころの恋とも好意ともつかないあれ、で呼んでいるうちに胸が痛くなる。気づいていたことを自分に知らせるのも自分ならけりをつけるのも自分。

「つかまえて金力石」は万華鏡のようだった。ページをめくってあれ、さっきの続き?って思うんだけど、続きっていうか作品集なんですね。

沖縄の話、俺、旅行はわりとノープランで行ってひどい目にあうんですけど、みんなで行くとそれもまた一興なのかなー。エッセイふたつは笑った。なんか友達に笑える話を聞かされて「えー、なにー、やだあ(背中ばんばん)」みたいなところがいい。

「仄赤い部屋から咲いたもの」は読んでいて映像が頭に思い浮かんだ。わりとそのまんま。

「世界の終わり、そして彗星」は外国の児童書を読んでいるようだった。思い浮かんだのはクロッキー画とかそれっぽい感じのアニメーション映画。

合同誌ってわりと並び順が重要なんですけど、ここのサークルはいつもうまいです。頭から読んでだれずに最後までいくことができるように作るのはけっこう大変だもんね。


発行:女流文芸サークル【鉄塔】
判型:A5 72P 
頒布価格:500円
サイト:文藝サークル鉄塔
レビュワー:添嶋譲

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