Text-Revolutionsアンソロジー「和」

arasuji

第四回Text-Revolutions公式アンソロジー。
103の『和』を是非お楽しみ下さい!


 


kansou

その名はアリス!-末期大正怪奇夜想譚-(世津路 章様:こんぽた。)
流れるように、歌劇のように紡がれる日本語表現がもうホント美しくて。大正浪漫大好きです!
かっこいいおねえさまと少年の活躍、もっと見てみたいです。

この素晴らしき難問(藤和様:インドの仕立て屋さん)
日本人だからこそ当たり前のように知ってるけれど、絵や写真で見せられただけじゃあの構造は神秘に満ちてるよなぁ、と主人公たちの反応にほっこりしました。
最近はくっつけるだけのも売ってますけどやっぱり結びたい!

和をもって和み、和と成す(たつみ暁様:七月の樹懶)
切ないですね……こういう作られた和って結局実を結ばないことが多いし、そういうのもひっくるめて人間関係を学んでいくんでしょうね。
それと個人的に「中休み」の表現に親近感を覚えました(笑)

ハニワを作りに「のぼうの城」の行田市へ!(柳田のり子様:柳屋文芸堂)
埴輪が作れるところがあるんですね、知りませんでした……!
途中、終わりが見えない小説に例えられたところでフフッてなりました(笑)わかるー!

わびしい夜には(弥生ひつじ様:Re*muse)
「和」という字が様々な意味で自然にかつ綺麗に織り込まれていて感動しました。
私はお酒は飲めないけど、こんなママがいるお店なら行ってみたいなー!

The Egg and you.(高梨 來様:午前三時の音楽)
あたたかい……! ただひたすらあたたかい!
真夏なのにそのぬくもりが恋しくなりました。ずっとプラ製のものを使っているけど、陶器のなんてあるんだ! 今度買ってみようかな。

国王と黄金色の寧日(卯月慧:月兎柑。)
拙作です。テキレボ4新刊に収録させていただいているお話です。

白露(凪野基様:灰青)
もう、後半を読み進めるにつれて「あぁ……うわぁぁ」と声が出てました。ドキドキした。
物語の世界に引き込む力がすごいです。もうあの童話を読んだら一緒にこの話を思い出しそう!

15歳の夏(まるた曜子様:博物館リュボーフィ)
重たい事情を抱えながらも、軽妙なやりとりと明るい未来に救われました。
二人の和は今後もきっと続いていくんだろうなぁと思います。結婚式にもう一方を招待するところまで想像した。

体験レポ集より「小学生向け料理教室」(氷砂糖様:cage)
ほのぼの料理教室、主人公が拙いながら一生懸命、楽しんでやっている様子が伝わってきました。
そこに突如現れる謎の単語! 普通の体験レポだと思っていた私は思わずGoogle先生に助けを求めた!(出てこなかった笑)

「月は欠けゆく」 抄(野間みつね様:千美生の里)
新撰組詳しくなくて申し訳ない……でもwikiで生涯をザッと見てから拝見しました。wikiの淡白な概要に血が通った気がします。
純然たる和の景観や心情の表現力はさすが野間さん、こだわりを感じました。

同人ストレイドッグス(浮草堂美奈様:浮草堂)
フォロワーさんとか、れぼんちゃんがRTしてくれてる見たことあるツイート主さんたちがいっぱい出てて楽しいです!
代表作名まで出てくるなんて、美奈さんお一人で宣伝効果絶大とかすごい……!
第二弾、第三弾期待!

独裁者(森村直也様:HPJ製作工房)
淡々と語られる事実。何が正しくて何が悪なのか、きっと誰にも決められないのではないかと思います。
かの国の生々しい現在の生き方にいろいろ考えさせられました。

和やかなる時~衣川~(ひなたまり様:時代少年)
歴史に疎く、人物像の前情報もない状態で読んだので申し訳ないですが、貞任さんかわいいぃぃ……!! ツンデレか!
初見の単語がありつつもさらりと読めました。風景描写もお上手でスッと浮かんだので日本人で良かったと思いました。

彼の行方、その謳の向こう側 ~食堂にて~(鶴亀七八様:とまりぎ ―梟―)
二人の真っ剣かつ命懸けなやりとりに笑いましたw 解決方法もシンプルイズベストで。私もピーマン嫌いだったことを思い出しました……

暗夜想路(ピクルス様:浅漬け古漬けお好みで)
切なすぎる……。病弱でなければ、求婚を受けていれば、被害に遭うのが彼じゃなければ、いろんなifを考えてしまいます。
せめてあちらで一緒になることはできないのかなぁ……

社会は今日も不条理だから進んでも退いても後の祭り(こくまろ様:漢字中央警備システム)
絶望に次ぐ絶望、これまた現実にこういう事態に陥っている会社がありそうなのがまた背筋をぞっとさせます。
本当にこういう文章お上手ですねこくまろさんw

和(やわらぎ)(つんた様:みずひきはえいとのっと)
淡々と続く会話は話題を途切れさせることなく、軽い調子ながら真剣かつ神妙で。
ちょいちょい見知った人物の描写が出てきて(といっても歴史はホント詳しくないんですが)是非答え合わせがしたいところです。世界の平和を祈って。

太白寮小景 セイガイ波!(古月玲様:サテライト!)
あっ、叫びたい。分かる気がするw 10代男子の考えてることなんてだいたいそんな感じですよねw
実は青海波を検索するまでどんな模様か知らなかったのは秘密……。

彼女が白和えを作ってくれた話(宗谷 圭様:若竹庵)
和久井さんの影の努力が微笑ましい……!

回りくどい方法ですが、自分も彼女も美味しい料理と共に幸せを噛みしめることができて、もう最高ですね! 白和え食べたい!

水無月の川辺で -朱鳥の神楽・小外伝-(悠川白水様:白水の小説棚)
少年少女のピンチに現れた救世主、心の中で拍手喝采しました。おっさん好きですみませんw
小さくても女の子を護る少年の気概もあっぱれです!

士郎の何でもない幸せな一日(ヒビキケイ様:シュガーリィ珈琲)
私はコーヒーが飲めないんですが香りは好きです。
こんなマスターのいる素敵な喫茶店で豆の芳香に包まれて、日々の幸せを改めて感謝してみたいと思いました。

花の中の花ー種と花ー(ほた様:月兎柑。)
種を蒔いたのは今かもしれませんが、その前にヴィクトルさんが耕してきた土があるんです。きっとそこには芽吹いて育つための栄養がたっぷりなんです。
彼が新たな友人と共に育てる花。未来に咲き誇る光景が目に浮かぶようです。

BAR NAGOMI(紗那教授様:教授会)
きっと惰性で働いてる人も多くいるであろう世の中。
あと一歩を踏み出せない勇気に対して背中を押してくれる、こんな優しいバーがあってもいいんじゃないかと思いました。

手品師と煙(南風野さきは様:片足靴屋/Sheagh sidhe)
ひとつひとつ丁寧に綴られる風景描写がとても美しく、鮮やかな光景がありありと想像できました。
そして手品がかわいらしい!

片腕(孤伏澤つたゐ様:PaperNautilus)
片腕一本でここまで表現できるのか……と新たな扉を開いた思いです。生々しいけど美しく官能的。
原作は存じませんが楽しませていただきました。

お菓子を巡る物語(風城国子智様:WindingWind)
お菓子の作り方の描写が丁寧で、今日の私のおやつは餡系の和菓子にすると決めましたw
オチも不思議な世界観に沿っていて可愛らしいです。

塔と孤独たちの昼餐(跳世ひつじ様:ヲンブルペコネ)
重く暗鬱な雰囲気、雨の赤だけが世界を彩る中、二人の会話から窺える関係性がとても深いです……。
子供っぽい口調が尚更不安定さを引き立てていました。支配しているのは、依存しているのは、どちらなのか。

春臨(水成豊様:倉廩文庫)
寒い季節、気心知れた人と暖をとりながらいただく温かいお茶はしみますね。
ナタリフさんの包容力も相まって、胸の中のわだかまりを吐露したくなるのも分かる気がします。

河童のハニートラップ(宇野寧湖様:ヤミークラブ)
槇先生、大人なのに好奇心旺盛でお茶目で、可愛いけど何だか危なっかしいですw いいコンビ(トリオ?)みたいですね。
雨、トラブル、古びた資料館という舞台装置もあって少しゾクッとしました。

落ち葉の季節(seeds様:星明かり亭)
文さん何て可愛らしい……! 一挙手一投足にニヤニヤしてしまいました。そして彼女の秘密にもびっくり。
ずっと側にいてほしいけど、達成も願いたい。つい応援したくなる人柄ですね。

紙風船と万華鏡(こうげつ しずり様:海と空と夜)
友達を守りたい、けどどうすることもできない、せめて何か喜ぶことをしてあげたい……という主人公の心の優しさが胸に染み入るようでした。
綺麗なものを共有した経験は、きっと何物にも代えがたい力になると思います。

和珠が繋ぐ絆(桐谷瑞香様:桐瑞の本棚)
ただ守られるだけでない、戦う女子最高です……! しかも得物が槍とか!!
3人のコンビネーションも素敵ですね。七宝の輝きが彼らの絆を示しているようで羨ましいです。

ココロ安らぐ場所(天野はるか様:HAPPY TUNE)
男親と息子の間に漂う独特の空気感。女同士のそれとは全く違うし、言葉少ないけれど、親子として根底で繋がってるんだなぁという優しい絆を感じました。
再会した時の父さんの嬉しそうな顔が自然と浮かびました。

アイスクリーム屋さんTE・ROLLのご主人のすること(遠藤 ヒツジ様:羊網膜傾式会社)
最初の感想「なんかすごい」。
楽しげに紡がれる道化師の語り口みたいな冒頭から一転、現実に戻ってきたけどやっぱりどこかおかしくて。
楽しいような、ゾクゾクするような、不思議な文字空間でした。

薔薇の和名(香澄或乃様:パヴォニア前派)
眉目秀麗な彼女、で「ん?」となりましたが、読み進めて納得。彼女は確かに美しく凛として、男性的な恰好良さがある。なのに、可愛らしい。
想い人の名を持つ薔薇は、さぞかし綺麗に咲いたことでしょうね。

山吹の花(乙葉 蒼様:ハーヴェストムーンの丘)
電車の中で読んで泣きそうになって慌ててブラウザ閉じるなど。好きです。
お互いの命を、心を救って、いつまでも共にいられる幸せ。山吹がやさしくてきれいで、強い。心洗われました。

甘いものが好き(青波零也様:シアワセモノマニア)
もう! この三十二歳かわいい! なんなの!!w
プリンも毎回ちゃんと皿に(仏頂面で)プッチンしてるんでしょうか? 結ちゃんとのやりとりがホントに可愛くてニヤニヤを禁じ得ませんw

約束のプレイボール(青銭兵六様:POINT-ZERO)
戦時中に芽生えた異国間の友情が、時を超えて平和な現代でもうひとつの実を結ぶなんて、何て素敵な奇跡なんでしょう。
今年の夏の高校野球も終わって、美しい青空に舞う白球に思いを馳せました。

繭姫(あずみ様:冬青)
泣けました。幼子と渡し守の間に生まれた縁。淡々と進んでいく場面でも表現力と細やかな筆致に胸を締め付けられました。
私には例え天地がひっくり返っても絶対にこんな文章書けないので、ただただ尊敬します……

水族館的サマーフェスタ(紙箱みど様:むしむしラボラトリー)
ベルすけちゃん可愛い以外の語彙が出てこないんですがどうしたらよいでしょうか(真顔)
飼育員2人との信頼関係の強弱が面白かったですw タカミネさんどこかで見たことあると思ったら、みかんの人か!

神の山の巫女(三谷銀屋様:三谷銀屋)
大人の都合で巫女に仕立て上げられた凛子の運命を憐れんで、神様が逃げ道を用意してくださったのかな、と。
神秘的なお話で、なんだか背筋が伸びました。

鳥類戦隊バードマン~平和な日曜は決め台詞の日(小高まあな様:人生は緑色)
ふへへ、と変な笑い声が出ましたw
ニチアサは全部追ってるわけではないので断片的にしか分からないのですが、とりあえず完全に上遠○くんの声で再生されるブラック好きだ。
孵化!も換羽!もカッコイイと思うんですけど!?

ニンジンサラダを和えれば(服部匠様:またまたご冗談を!)
こんな時間に! 読むんじゃなかった!!(机バァン)
お腹が鳴って仕方ありません。何て美味しそうな料理表現なんでしょう。明日どこかでフィナンシェ買ってこよう。

団子と恋(佐和島ゆら様:雪国屋)
明確に言葉にされないと不安になる気持ち分かります。察するのにも限界があるんですよね。
甘味を通して垣間見えた彼の新しい一面、それを知った喜びが伝わってきました。そして食べ物の話はついそれが食べたくなってしまう私w

和服を着たベルギーの少女(迫田啓伸様:侍カリュウ研究所)
日本人として当たり前のように過ごしている日々、こうして語られてみると実に季節に寄り添った生き方をしていますね。
行ってみたいと思ってくれて、時を経て実現してくれて、かの絵と再会してくれたことがとても嬉しいです。

青空のつくりかた(森瀬ユウ様:とぎれない、いつか)
品行方正で真面目な先輩と、不良みたいな容貌の剣道部部長(つよい)、が、仲良し。……いかんこれは素敵だ、是非他の作品が読んでみたい!
憧れを抱いた先輩の言葉を座右の銘にする後輩くんが可愛らしいです。

泣草図譜やまばと編(アンソロ版)(うさうらら様:花うさぎ)
短歌! 学生時代に国語で触れた程度なので教養がなくて申し訳ないのですが、一編一編が植物&優しい絵と共に語られていて素敵です。
えのころ草、芒、鬼灯の短歌が特に好きです。

遠く離れて大和をおもう(庭鳥様:庭鳥草紙)
前知識なしで読み、検索して背景を知ってからもう一度読んで、彼の置かれた立場と待ち受ける未来に暗澹たる気分になりました。
老女の真摯な祈りと、自らの神々への願い、わずかでも心の安寧に繋がっていればいいなと思います。

月食み(真北理奈様:ロザリアは笑う)
報われなかった鬼と、気づく機会すら与えられなかった娘のすれ違いからの、悲しい結末。結局誰も救われなかったことがただただ切ないです。

わ(木村凌和様:夢想甲殻類)
これはいいダブルおっさん×少女! おさ少アンソロで拝見していたのでまた会えたねみたいな気持ちになりつつ、困り果てたおっさん2人の対比が楽しかったですw
子供たちもすぐ仲良くなれそうで可愛い!

秋の日に(せらひかり様:hs*創作おうこく。)
なんだかほわほわあったかい、日向ぼっこしているような気分になりながら読みました。栗美味しそうだなー。
LUK値が上がった結果なにが起きたのかちょっと気になりますw

きみのしかく(七歩様:酔庫堂)
七歩さんの、七歩さんだからこその作品。言葉に対する着眼点が本当に鋭くて好きです。まさか分解するなんて……!
舞台は整っているのに主人公になりきれない探偵さんがいい味出してました。

「指輪」抄(鳴原あきら(Narihara Akira)様:恋人と時限爆弾)
ほわあぁぁゾクッとした……! 良妻賢母を絵に描いたような奥さんと職場の優しい同僚との奇妙な関係に巻き込まれる主人公。
真面目でできる男なだけに、忍び寄る現実をどう受け止めるのか興味津々です。

和平の証の涙曇り(永坂暖日様:夢想叙事)
幼い主とさらに幼い妻。友達として仲良く遊んでいてもおかしくない年頃なのに、夫婦たろうとしている姿が健気です。
魔力が御せる日はきっと来るよ、がんばって! と応援したくなりました。

朱の記憶(雲鳴遊乃実様:鳴草庵)
言葉は交わさずとも心を通わせた二人。朱に染まった景色を見せてくれたのは、再び会いに来てくれた少年へのお礼と餞別でしょうか。
忘れてしまうのは悲しいけれど。情景描写が美しく、心に染み入りました。

ポニーテールとループタイ(濱澤更紗様:R.B.SELECTION)
九谷焼を知らなかったので検索したら、色鮮やかな彩の奔流が目に飛び込んできてびっくり。こんなに綺麗な焼き物なのですね!
恋の行方はアレですが(笑)、軽妙なやりとりにクスッとしました。

旅立つ前に(Rista Falter様:化屋月華堂)
単身赴任先での旅立ち、って辺りで嫌な予感はしていましたが……あぁ。
システマチックな冥府とそこに務める職員さんたちが、現世とあまり変わらなくて親近感。帰るシーンが派手でちょっと笑いましたw

講和条約と踊らない叔父さん(オカワダアキナ様:ザネリ)
講和条約は、「違う選択をしていたら」という過去との決別……みたいな感じでしょうか。叔父さんの言葉が深いです。
達観した傍観者のような語り口の少年が、流れるプールを楽しみにしてるの可愛いw

平和を願う王子(藤ともみ様:藤つぼ)
冒頭から衝撃的な場面で、彼の苛烈で過酷な戦いを思い知らされました。
ひとつの目標に向かって邁進する姿は美しく、同時に枝葉末節を顧みないことに対する危うさも孕んでいてハラハラします……。そして絶対アイツ怪しい。

平和的講和条約(田畑農耕地様:虚事新社)
す、素晴らしい……! 最後まで読んで思わず鳥肌が立ちました。
これが無事締結され、次世代にまで語り継がれた後の二国の姿を見てみたいです。現実もこうだったらいいのになぁ……

石の野いちご(猫春様:ばるけん)
可愛らしくて不思議なお話! このバーに行きたいし、いちごを摘んで山にお供えにも行ってみたいです。
猫アレルギーだし持久力皆無で登山どころか駅の階段すら怪しいけど!(個人的な事情)

徒夢(佐堀様:馬猫文庫)
軍神と謳われながらどこか儚げな主の命を一生懸命こなす姿が可愛らしい。
図らずも主の過去との橋渡しを担った彼が、『大事な用事』の意味を知るのも、きっともうすぐ。
色の描写が美しかったです。

捧げる祈りは(たまきこう様:Couleurs)
辛い……。こうなることが分かっていたから、少女の記憶に二人の仲良き姿を焼き付けておきたかったのでしょうか。
そのひとときが、他人と違って寂しい思いをしてきた少女の心の慰めになっていたのならせめてもの救いです。

平和の鳥(病氏様:城東ぱらどっくす)
表向きは平和の象徴、実際は他国牽制の兵器。
ともすれば次の戦争の火種にもなりかねないのに、何も知らない国民がお伽噺と誉めそやし、再び鳥が飛ぶのを待ち望むのは何とも皮肉です。
それはそうとハイテクっぷりに笑いましたw

旅行の頃(梅川 もも様:雑食喫茶)
なんと微笑ましい……! 男親と二人で旅行、私も行ったことがありますが何だか気恥ずかしかった記憶があります。
娘さん無邪気でいいですね! お父さん、やれやれと言いながらも可愛がっているのが伝わってきます。

あんこの幸せ(瑞穂 檀様:チューリップ庵)
確かにあんこって幸せですよね。甘いし、口の中でさらっと溶けてなくなるし(※こしあん派)、低カロリーだし、『あんこ』って響きも可愛いし。
にゃんこと老夫婦の和やかな会話にほっこりしました。

お花見場所取り合戦(徳永りく様:おなかすいた)
わいわい楽しいお話。雨が花を散らしてしまう前に、双方円満解決できてよかったですね!
濡れた花びらも風情があっていいと思います。ねこちゃんも一緒だし!
季節的にちょっと肌寒そうですがw

橙から群青(秋助様:感傷リップループ)
百人一首、中学の授業以来で懐かしさを通り越して逆に新鮮な気分です。
恐らく彼女が持っているであろう絵札と、瓶の中の読み札。2枚でひとつのそれが奇跡的に再会できたとして、その時彼女は……。
想像するだに切ないです。

箱庭で死ぬの(桜沢麗奈様:灯)
狂気……! 母が生み出す数字の奔流にじわじわと蝕まれていく感覚がゾクゾクします。
数字をググったらJavaScriptではそれを超えると精度が保証できないとか挙動がおかしくなるとか出てきて尚更ヒィィってなりました。
でも母は、自分がいなくなっても娘の世界が続くことが分かっていたから、最後にあんな話をしたんですね。これから正しい姿の『和』を自らの手で築いていってほしいです。

梅酒のロックはぬるいのしか飲んだことがない(姫神 雛稀様:春夏冬)
最後まで読んで、タイトルの意味をしみじみと噛み締めました。楽しく食べて飲んで騒ぐのは、いつも5人一緒に。
勝負の行方も清々しく、みんな前向きで、読んでいるこちらがいい気分になりました。

榛名神社参詣(唯沢 遥様:五行の音階)
お参りとは、何も御賽銭を投げて礼をするだけではなく、参道を歩む時から既に始まっているのですね。
さながらこの詩を読むだけでも参詣している気分で、身も心も浄化されていく心地がしました。

かわいいひと(豆塚エリ様:こんぺき出版)
タイトルからほのぼの系のお話を想像していたら、とんでもなかったぜ……背筋がゾワゾワしました。
主人公が迎える結末が不穏なものしか想像できず、同時に黒猫ちゃんの安否が気にかかります……

圓谷古道具店(桂瀬衣緒様:SiestaWeb)
加代ちゃん可愛い! 淡々としたやりとりが微笑ましいです。
こんな風に意思疏通ができて新しいことも受け入れられる幽霊さんならちょっと話してみたいと思いましたw
食器も売り上げ好調だしWinWinですね!

姫たち(『創月紀 ~ツクヨミ異聞~』より)(とや様:さらてり)
私はどちらかというと沙羅姫様の気持ちに共感できるので、輝姫様には是非、将来のあらゆる可能性を抱いたまま大きくなって欲しいですね。
作中の登場人物が優しいひとたちでいっぱいで和みました。

付喪神の見る夢(真乃晴花様:Natural maker)
清光は優しい相棒さんですね。安定に対する細やかな気遣いが素敵です。
晩年、病で刀を握れなかったであろう『沖田くん』の側に、この二振りはどんな気持ちで在ったんだろうなぁと過去に思いを馳せました。

なごみ古書店(壬生キヨム様:cieliste)
タイトルに偽り無し! 短い文章にぎゅっと詰め込まれた『なごみ』に心から癒されました。
全体的に流れる古書店の穏やかな空気。ここでならいろんな本との素敵な出会いがありそうです。

甘んじて、逸脱(緑川かえで様:黒の貝殻)
子ならぬ、主は鎹ってところでしょうか……。
お互いに打ち込まれた楔によって、付かず離れずの距離感を保ちつつ、与えられた痛みに同等の悦びを感じている同志、のような。
取り繕われた和は奇妙な形でぞくぞくします。

とある喫茶店の新メニュー開発秘話(末広圭様:すてばちや)
新メニュー案、パクられたと言われる前に気付けて良かったのではないでしょうか……と前向きに考えましょうw
常連さんたちとの仲良い空気が微笑ましいです。きっと彼らにとって心安らげる空間なのでしょうね。

名月-meigetsu-(きと様:be*be)
相手の本音を聞きだすこのシチュエーション大好きです……!
人を従える立場の若が、恋人相手に敬語なのも意外で素敵。
忠犬みたいな青年もさりげなく背中を押してくれてて、ホント可愛い3人です。

蜜月睦言(白河紫苑様:BRADDY VOICE)
最先端なハコニワにいた少女と、歴史においていかれた男の逃避行。
孤独と孤独が一緒になったら、世界は優しく見えるものです。月が綺麗だという言葉に込められた思い。二人の今後がどうなるのか気になります。

恋し風が吹いた日に(領家るる様:うずらやの小金目創庫)
うわぁうわぁ……! なんかこう、色っぽくて艶っぽい展開に思わず両手を握りしめました
。終わり方もニクイですね、否応なしに読者に想像させる技量に感服です。熱燗はその熱とともに、二人の心身を温めたんですね。

水無月更紗の愚か(オトヨミ様:リコリス畳店の猫)
言葉には力がありますからね……つけられた名前のイメージが先行して、いいものが悪いものに(逆も然り)なったり。
誰もが漠然と抱く概念に、今もまさに次々とつけられていく新しい名前。物事の本質を見極めていきたいです。

君に、うまく言えない(○まる様:月兎柑。)
幼馴染みだからこそ無意識に避けてきた言葉、なのかもしれませんね。ずっと一緒にいるはずなのに初々しくて可愛らしいです。
しかしイグラスよ、もしかしてそのアクシデントも貴方が仕込んだのでは? と勘ぐってしまいますw

言の葉の道(高麗楼様:鶏林書笈)
母国の同胞が反発する中、スッと受け入れて和歌を自分のものにしていく真摯な姿に心打たれました。
胸の奥から歌が涌き出てきた瞬間が美しくて特に好き。文化の違う二国を繋いでくれてありがとうございますと言いたいです。

世間との融合、世界の均衡(ウサギノヴィッチ様:崩れる本棚)
理解を拒む文章の羅列と強い言葉の氾濫にガツンと頭を殴られたようで、それなのに不思議と世界に引き込まれました。
狂った世界と和は表裏一体なのかな、と。

和睦(ひめごと)(実駒様:夜間飛行惑星)
色も音もなく、時がすべてを支配する世界で、熱だけが痛いほど伝わってきた作品です。
雨の冷たさと、枝から離れた花のゆるゆると尽きる命の温度、反して掻き抱いた腕からくる熱。抱かれたほうの胸の温度はいかほどでしょうか。

オールド・ファッションド(平坂慈雨様:みつたま)
最後まで読んでからもう一度読み直して、最初は普通に素通りした重要な要素がそこここに散りばめられていたことに気づき、その文章構成力に唸らされました。
『におい』は最初から感じていたのに。この後がとても気になります。

相思鼠(晴川穂浪様:馬猫文庫)
過去の単なる懐かしみだけではない奇妙さと、現在の楽しそうなマニア談義の対比が面白いです。
両方で表現される様々な色が、お話の中で混ざり合って不気味さ漂う模様になっているように感じました。でも相思鼠は綺麗な色ですね。

はかりごと(土佐岡マキ様:眠る樹海堂)
うわー可愛い、可愛いよぉ! 最初は打算や目論見があった2人が一緒になって、素直になってみたらなんとまぁ……!
はんなりとした方言が優しく心に沁み渡りました。明日から本気出す、ちょっと笑いましたw

狂わぬ時計(わたりさえこ様:ナタリーの家)
純文学。衝撃的なことが起こっているのに、あくまで淡々と綴られる事実のみの文章。
背後に広がっているであろうそれぞれの感情の渦に巻き込まれて、私の脳みその時間が止まったかのようです。うーん、何度も読んでしまう。

堀川国広も燭台切光忠もひとこと多い。(ろく号室の住人。様:シンプルテキストと浅草六区)
朝食準備中の鍋から立ちのぼる湯気みたいに、ほわんとあたたかいお話でした。
検索して彼らの外見を知ったのですが、大きいほうがやきもち焼いてるの可愛らしいですねw

羽衣の棺(伊織様:兎角毒苺團)
1行目で「!?」ってなって、以後ずっとあの眼光鋭い顔つきが頭から離れず……と、とりあえず、刀剣男子たちが仲良くて微笑ましいです。皆可愛い。
うん……あれ、やっぱり、食べちゃうのかな……?

夕焼けの村(瀬古冬樹様:とーとくるす)
他の記憶も共に全て失ってでも忘れてしまいたい辛い過去。
ここに来た人たちの心からの笑顔を見ることは叶わないのだろうと思うと、主人公の孤独や寂しさが身に刺さります……。
不思議で切ない空間。

北陸アンソロジーQ&A(なな様:7’s Library)
ここまで直球で宣伝されるといっそ清々しいですねw
今まで北陸には縁がなく、恐らく本当に有名な単語しか分からないと思うのですが、裏を返せば新鮮な気持ちで楽しめそうです。

でこぼこの調和(呉葉様:えすたし庵)
インタビュー形式面白いですね。三者三様の答え方ながら、挙げる人物皆同じ。三つ巴?
いがみ合うでもなく、かといってそれほど仲良くもなく、三人の間に形成された和が今後の学生生活でどうなっていくのか興味があります。

温故(かみむらおうか様:Prompt)
糠床に対するイメージは私も主人公とほぼ一緒でした。
毎日手間をかければ美味しくなるもの、A氏は淡白だけど愛情はたっぷり注いでいると感じました。
二人で作って二人で食べる糠漬けはいろいろ染み込んできっと美味しい!

餃子パーティ(斉藤ハゼ様:やまいぬワークス)
終始アキワイワイ(笑)の楽しいノリかと思いきや、後半ちょっとしんみり。
誰にとっても未来の100%の保証なんてない。今を大事にしたいと思いました。餃子が美味しくて良かった!

和解(乃木口正様:妄人社)
あぁぁ、そっちの和に行ってしまったか……!
誰にでも優しいというのはこういう悲劇を生むこともある、と。まぁ自業自得ですけど。彼女たちがこの後平穏に暮らせれば良いのですが。
(あ、やってもいいと言うつもりはないです、念のため)

逢瀬の凪桜(藤木一帆様:猫文社)
いい話だった……! 確かに鬼ってずっと悪いイメージで覚えてきたけど、そもそも何であったのか調べる機会はなかったですね。
なまはげだって怖いけど神様の使いだし。一生懸命な鬼可愛い。心の底から二人の幸せを祈っています。

星間(轂 冴凪様:うずらやの小金目創庫)
みんな大好きニンジャw
今現在も日本家屋を新築で建てようって人はいないでしょうし、地球でもそう遠くない未来にこうして懐かしがる日が来るんですね……。
アメリカンなノリの明るい彼が可愛いです!

咲く花にひとの輪は回る(曽野 十瓜様:That’s right.)
あああ、幸せだ……! ずっと感想書いてきたけど、この笑顔溢れる素晴らしい作品で締めくくれるのが本当に幸せです。
綺麗な花、陽気な歌、美しい光に囲まれて、ほんと夢心地でした。私も輪に入って一緒に踊ってくる!

———————-

こちらは、公開に合わせてTwitterで呟いた感想をそのままコピペしたものです。(加筆修正は若干ありますがほぼそのままです)

初めて公式アンソロジーに参加したので、記念に感想マラソンに挑戦してみました。
多種多様な作品揃いで本当に楽しかったです!
今まで私の中になかった表現などにも触れられて、感想を文字にするのもすごく勉強になりました。ありがとうございました。

イベント当日が楽しみです!

data

発行:Text-Revolution準備会
判型:456P
頒布価格:1200円
サイトText-Revolution準備会
レビュワー:卯月慧