ストレプトカーパスの零し言
死にたいなあ、とぼんやりと思う。自殺を試みるほどの強い衝動ではない。ただ特に思い当たる節のない、薄く薄く引き伸ばされた感情が、もうずっと剥離することもないまま喉元から背中にかけて張り付いている。
──そんな感情を抱えながら、高校生・井々城千草は優等生として生活を送っていた。ある日歩道橋で出会ったのは、セーラー服を身に纏った少女。その正体は 誰かの《代わり》であることに嫌気の差したドッペルゲンガーだった。
死にたがりの人間と、人間になりたいドッペルゲンガー。
二人は出会った。
出会って、しまった。
著作者様サイトからの転載
作者サイトより転載
あらすじをみてドッペルゲンガーとか私好きそうだなと思ったら案の定。ツボのオンパレートでした!
出会って生活してお別れして、そして、みたいなお話すごく好き。
あんまりやる気がない子が思わず頑張っちゃう出来事にあうお話も好きです。
ドッペルゲンガーの設定や、実験とミサンガのところも、そう来たかって感じで面白かったです。
カバー下のカレンダーも、章タイトルと合わさってツボな演出でした。
儚くて優しい空気が素敵でした。