Text-Revolutionsアンソロジー「嘘」(2)

arasuji

第5回Text-Revolutions 参加サークルさん有志によるテーマアンソロジー!
テーマは「嘘」
可愛い嘘から裏切りから、エイプリルフールに謎かけに。121個の嘘をご堪能下さい!

※過去の感想はこちら
 Text-Revolutionsアンソロジー「嘘」


kansou

テキレボアンソロ嘘 感想まとめ
Twitterで呟いた感想を転載したものです。
『→』から先は、作者様からいただいたリプライへの返信で「これも感想と呼べるかな」という部分を抜粋しました。

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だけど、いつもは、マジメです。(小高まあな様)
懐かしんだり、しんみりしたり、ほのぼのしたりの二人の会話。
見たことのある名前がチラホラ出てきて親近感が湧くと同時、いっそ清々しいほどのダイマに笑いましたw
隠された嘘を見つけるために作品を手に取る流れですね!

白百合は踊る(藤和様)
かっっ……かわいい正義の味方だー!!( *´Д`)
武器が裁縫道具なところが、殺伐さを感じさせない優雅なチョイスですね。年頃の少年が無駄に変形とかビームとかのカッコイイ方向へ行かないのが素敵です。
二足のわらじは大変だろうけど、お姉さんを頑張って守ってあげて!

私は嘘を吐いている。(堺屋皆人様)
うわぁすごい……! 最後まで読んで思わず唸りました。
胸が締め付けられるような悲しい嘘のお話だけれど、2回読んで腹にストンと落ちる感じはお見事と言わざるを得ません。
Webニュースのページもよくできてますね……

嘘に混ぜた本当の(たつみ暁様)
きゃーごっそさんでーす!!
甘い甘い積極的なインシオン、こんな嘘を何度も吐かれたら心臓がいくつあっても足りないけど、「もうしない」と言われてしまうと途端に襲ってくる寂寥感。何だか麻薬みたいですね。
読んでるこちらがドキドキしっぱなしでした!
→本編追ってる身としては、この時点では嘘とはいえこんなラブラブっぷりを見られて幸せです。平然としてる(ように見える)インシオンが憎たらしいです畜生おまえら幸せになれよ!!

君の言葉を信じれば(夢美夜紅々様)
どんなに拒絶されながらも、ひたすら尽くす羽人さんの優しさと、訛りの入った言葉にほっこり。
シンプルなおじや美味しそう。
彼女がそんなにかたくなな理由はなんなのでしょう。

同人ストレイドッグス~嘘つきはダレ?~(浮草堂美奈様)
前回アンソロに引き続きわちゃわちゃ楽しいストレイドッグス!
登場人物多いですが皆さん個性的で迷わず読めました。
ハードボイルド兵六さんと、ひと癖あるちーず。さんのやりとりが特に好きですw 異能もガッツリハマってる!
→ご本人関係ないフィクションとはいえ、美奈ちゃんたちに遊ばれてるダンディ二人の姿が容易に脳内再生されましたw 今回も楽しかったです!

宝珠細工師の原石 ―恵みに感謝を―(桐谷瑞香様)
サートルくんが、そんな馬鹿な! とドキドキしましたが、真相を聞いてホッとしました。
エルダちゃん、それ姉の心境じゃないよもーかわいいんだから(*´Д`*)
精霊への祈りを捧げるお祭り、幻想的ですね。舞に見入る少女、それを眺めている少年の満足そうな顔が目に浮かびます。
→だってだって、姉だったら「しょうがないなぁ」と思いつつ許す方向に行くだろうに、エルダちゃん思いっきりヤキモチやいてますもの(///∀///) ふたりが可愛すぎて悶えました。

山吹の姫(ひなたまり様)
うわあぁぁ悲恋……! 顔で笑って心で泣いて。
最愛の女性に嘘を紡いでいる間、国衡の心が悲鳴を上げているのがひしひしと伝わってきました。切なくて胸が苦しいです。
救いを求めて(歴史詳しくないので)Wiki見たんですが、あれ、これってこの後もしかして……?
→(ご本人様よりWikiの通りだとリプをいただいて)あまりに切なすぎて、気が付いたら検索窓に打ち込んでいました……。
Wikiも誰が誰の子供でどことくっついた、みたいな表現が煩雑で理解に時間かかりましたが(笑)、やはりそうなのですね!

誘疑-イザナギ-(天海六花様)
二人の軽妙なやり取りと、テンポ良く解決へと進む展開にワクワクしました!
柔和なのに強くて頼れる傭兵カルザスさんと、謎多き美貌の吟遊詩人シーアさん、すごくいいコンビですね。バディものに弱いのできゅんきゅんします。
シーアさんの抱える秘密がとても気になります。

何があっても信じることを強要されるRPG(こくまろ様)
タイトル発表された時からワクワクしていましたがやっぱり期待は裏切られなかったさすが!!
畳み掛けるような理不尽の連続に「ああああもおおお」ってなりつつコントローラーじゃなくてスマホ投げる読後感。いやはや楽しいです。
……ゲームでよかったよね。ホント。

言って、魅せる(琴木緒都様)
好きな人と一緒にいたい、ただそれだけなのになぁ。
優しい嘘で艱難辛苦を表に出さない彼は立派ですが、上から押し付けられた宿題をクリアした後も、さらなる試練が待ち受けているのがありありとわかるので心配です。
もう2人でどっか遠くへ逃げちゃえよぉぉ!

最後のひと(翡翠しおん様)
黙っていれば凛とした紳士、喋るとヘラヘラ軽くて子供っぽいところもあるのに実はしっかり周囲のことをよく見てて、相手の気持ちを読みさりげなく的確な言葉を投げられる頭の回転の速さと包容力を兼ね備えた根っから明るいキサラギさんに、私が惚れないわけがない。好きです。

騎士と守護の誓い(卯月慧)
拙作です。テキレボ5新刊に収録させていただいているお話です。

へたないいわけ(宮崎笑子様)
あああ……終始ニヤニヤしながら二人のやり取りを見ていました。可愛い。ひたすら可愛い。喧嘩しているはずなのに。
結局のところ嘘か本当かは分かりませんが、小さなことじゃないですか、この二人の前では。末永く仲良くしてください!
→可愛いはいくら言っても惜しくないので存分に投げます、二人のやり取りは可愛い! これが嘘なら相当な小悪魔ですが……(笑)

元気だよ(秋原かざや様)
うわああこれ電車の中で読んじゃダメなやつだった……! 何となく予感がした時点で保留にしておけばよかった私の馬鹿!
母が子に、子が母につく嘘が、お互い思いやりに溢れていて、優しくて切ないです。きっとお父さんも同じ気持ちでは。あちらでも仲良くしてください。

RAY ANGEL アンソロジー『嘘』REMIX(迫田紘伸様)
まどろみを境に切り替わる、地球の和やかな風景とSF的な宇宙空間。繰り返しているともはやどちらが本当の現実なのかわからなくなりますね……胡蝶の夢みたいな。
共通しているのは、どちらの景色も孤独だということ。なんだか寂しいです。

はなふるこよみ(凪野基様)
花と共に移り変わる季節。描写が繊細で美しく、鮮やかな色彩が目に浮かびました。
器なんて関係ない、掛け値なしの愛情が二人の間にあることにすごくホッとさせられます。
歩幅のくだりが特に好きで、3回くらい噛み締めながら読みました。あと天使がラッパ吹くところかわいい(笑)
→マリさん視点で描写されるジョーさんがすごく素敵で、途中から惚気を聞いている気分でした(笑) 幸せのおすそわけをいただきました。
関連作も是非読んでみたいです。

山鳩 ~まんが日本昔ばなし底本~(まるた曜子様)
原作知らなかったので読んだ後にリンク飛んだのですが、単なる「へそまがり」としか表現されていなかったものがこんな精緻な心情描写になるなんてすごいなぁ。
今際の際の願いを叶え、その後もずっと気にかけて……不器用な父と息子の、最後まですれ違い続けた愛が哀しいです。

終わりのそのときに(夕凪悠弥様)
冒頭から衝撃的な展開。こういうのは予行演習したって、いざ本番で理想通り動けるものでもないですね(笑)。
でも『決してあり得ないことではない』と頭の片隅に意識する、覚悟するって点では意味があったのでは。
ルーナさんの反応が、真相判明の前後共に可愛くて悶えました。
→フェルナンドさんにはもう少し演技を真に迫らせていただいて、少女のさらなる反応を見ていたかったなーという嗜虐心が少しだけ私の中にありましたが、やりすぎると後が怖いのでこれくらいが良かったのでしょう(笑)

たばかり(藍間真珠様)
情報屋として真実を求め、他者からの信頼を得ることにそれこそ文字通り命をかけているのに、ミリアンダさん自身が周囲を迂闊に信じることができないのが何とも皮肉ですね……。
全体的に漂う不穏な空気がハラハラします。シガナさんは食えないお人だなぁ。
→他愛ない仕草から真実を探ろうとする二人の駆け引きが面白かったです。思い込みが大敵……確かに。それを取っ払うのってなかなか難しいですよね。

伸縮小説『嘘吐きのピアノソナタ』(氷砂糖様)
先に他の方々の感想を読んで、伸びる? 増える? と脳内疑問符だらけでしたが、読んでみて納得。これはすごい。
『真っ赤な嘘』を象徴する色を纏う彼女が、ついぞ『明らかな真実』を主張することなく去っていったのは、果たして残された街にとって本当に幸せなことなのだろうか……

街のうつろにこだまする(永坂暖日様)
廃墟と化した街に響き渡る声の誘惑、そこに居た(行く)人々を襲う不可解現象にゾクッとしました。堀田の心の動きが生々しいです。
北島は無事望むもの(妻子)に会えたようだし、堀田が望むものも案外行ってみれば手に入るのでは……なんて。何が起きても不思議はなさそうです。

はすのね(唄様)
美里は聡二郎が好きだけど時子の戦略によって先に取られてしまい、それでもそばにいたいが義理でも姉弟にはなりたくないから分家の守の元へ嫁いだ……のかな?
聡二郎も美里のことまだ好きだろうし、これは泥沼の匂いがプンプンしますね……聡二郎と美里の出会いが知りたいです。

花幻之記~累ガ淵異聞(つんた様)
偽りの王と、真なる王の亡霊、会話だけで淡々と進んでいくのに内容は愛憎入り混じって何とも言えない仄暗さですね。
嘘で塗り固められた玉座から見下ろす景色はどんな風に映るんでしょう。
→権威の周囲には謀略がつきものですからね……。玉座に座る経緯はどうあれ、民にとって賢君であればそれでよいのではと私なんかは思ってしまうのですが(^_^;)

1+2(二月ほづみ様)
あ……あああ~~、身分を隠して現れたえらい人(威厳あるのに優しそう)とそれを守る人(軽薄なのに惹きつけられる)の同列主従っぽい二人組なんてこれ私ホイホイ……!!
すいません取り乱しました。少年が選ばれた理由も気になりますが、とにかく幸せになってほしいです。

赤マルとショートピース(遠藤 ヒツジ様)
背伸びしたい年頃ですよね、このころの男子。まさか初めての恋のときめきを叔父さんに感じることになるとは……って驚きもなく受け入れているあたりがまた斜に構えた感じで小生意気です(笑)。
個人的イメージですが、この叔父さんは前髪長そう。

病と明かさぬ夕べ(土佐岡マキ様)
同じ境遇にあるから、お互いの考えていることが意識しなくてもわかる関係っていいですね。そうなってしまう環境なのは寂しいことですけど。
最後についた優しい嘘が胸に沁みました。でも、こういった積み重ねで少しずつ傷を増やしていく二人の心が心配です。親御さんしっかりして!

Birthday(山本ハイジ様)
うーん、二人の間に漂う空気感が何とも優しくて心地良いですね。
エディにとっての『嫌な思い出しかない日』が、コスタと共に回数を重ねていくうちに『素敵な思い出がたくさんの嬉しい日』になっていくといいなぁと切に願います。

勿忘草~叶わない願い~(蒼依結那様)
少女の願い事が不自然というか、病気になるって普通に辛いことなのにそれを願うって、いくら嫌なことから逃れるためとはいえ……と思っていたらそういうことでしたか。
嫉妬にかられた者の憐れな結末。嘘に乗ってあげなくても短慮を起こしていた気がするし、ソフィアは優しいなぁ。

春の目覚め(せらひかり様)
暴露された内容が微笑ましいし、それを鶯の声だとひたすら誤魔化そうとする六葉さんが愛しいです。
ほのぼのとした、暖かい日だまりの中にいるような心地になれる素敵なお話でした。
春らしいもの、きっと食べさせてあげたんでしょうね。

隠しごと(きよにゃ様)
勢い余って言ってしまった言葉、もししばらく本人が気付かなかったら先輩はどういう反応を見せたんだろう(´Д`*)
ぴゅあっぴゅあで可愛らしい後輩くんと美しすぎる先輩のラブラブっぷりに思わず顔を覆いました(そして指の隙間から見ている)ごちそうさまでした!
→普段あまりBLは読まないのですが、このお二人は可愛くて初々しくてきゅんとしました。

鬼灯実る(朱暁サトレ様)
最後まで読んで「ひぃ」ってなりました……。
真朱の感覚が正常なのかどうか不明な現状、葉柳の思惑も結局噂に対するあの反応だけなので真相は分かりませんが。
まぁでも嗤ってしまえるということは、兄一家へ抱く感情は正常なものではないでしょうね……

キタキチョウ Eurema mandarina(良崎歓様)
真面目な虫好き少年の恋愛に対する不器用な接し方が何とも可愛らしいです。
好きな子がこんなに積極的にいろいろ聞いてきてくれたら本望だし、嬉しいだろうなぁ。私もちょっと虫に詳しくなりました(笑)

いえない言葉(鳴原あきら様)
本音はそうじゃないのに、ただただ相手のことを思うがためについた嘘が辛いです。最後の独白に胸が苦しくなりました。
二人の性格からして、笑顔でお別れとかできそうにないところがまた……こんなにお互いのことが大好きなのにね。
→もうだって、彼がこの世を去ったと知った直後の安道の様子とか想像したら涙を禁じ得ないですもん……切ないです。

究極の嘘つき(ヒビキケイ様)
前回『和』の時は結構ほのぼのなイメージだったので、毛色の違う感じにドキッとしました。
なるほど、こういう事情を抱えて出会って、今の彼らがあるんだなぁと『和』を読み返して感慨深くなりました。
共感力者と感応力者、そのはざまにいる拓海。面白い設定だなぁ。
→前回何となく、裏の設定というか「この平和な雰囲気を築くのに色々あったんだろうな」と思わせる描写がありましたが、それがこういう形で明らかにされてドキドキしながら読みました。
ずっと一緒に笑っていられたら最高ですよね。

あの日のふたり(里見ヤスタカ様)
生前のアリオットの性別が作中では明かされていませんが、男女どっちだったとしてもオイシイですねこれは(笑)。
無垢でまっすぐなフランチェスカといいコンビです。何だかんだと望みを叶えてあげるアリオットさん優しい。

完璧で曖昧な現実の中で(森村直也様)
文章の各所に散りばめられた嘘、何回か読み返す度に新しく見つかってすごい。1度読むだけで終わりにしたら勿体ないですね。
オトが何者なのか、そもそも『ヒト』なのか、読んでも分からない謎が残るのもまたこのお話の存在感を脳に強く刻み付けてくれます。
→TVのニュースも嘘まみれかもしれないあたり、何となく風刺的だなぁと。気になることがありすぎる文章の中で、恋愛ニュースで明らかに不機嫌になるお父さんと、正人くんの「事務職って大変なんだな」って感想が妙に和みました(笑)

ニセ執事(伊深様)
変な人を拾ってきちゃった(笑)朝ご飯のバナナトーストに懐柔されちゃったんでしょうか。美味しそうでしたもんね。
ストーカー被害の描写がリアルで怖かったし、真相判明する時も思わず「うわぁぁ」と声が出ました。
ゴミが無かったら彼が執事役をすることもなかったんでしょうか。

嘘から始まる(黒川うみ様)
姿かたちが似ていても、決して同じ存在ではない、それが双子。片方がダメだからってもう片方を代わりにできるもんじゃなし。
嘘から出た実を地で行く『仕返し』の結果、相手と、実際の本命だった片割れがそれぞれ何を思うのかすごく興味があります。

容疑者Yの献身(乃木口正様)
うわあ何というオチだ……ドキッとしました。これは確かに献身的。黒いけど。
刑事という立場の自分に対してそんなことされたら従わざるを得ないですね。逆にヤケを起こしたら妻もろとも危険という諸刃の剣……。
狙いなんだろうけどイニシャルY率の高さにはちょっと笑いましたw

裏切る君へ(乙葉蒼様)
言動と本音が真逆な時鳥は、そうでもしないと自分が彼女から離れられないと思ってのことなのでしょうね。その不器用さに刹菜がちゃんと気づいているのが嬉しいです。
そしてへこたれずに立ち上がる強さには好感が持てます。無事再会できた暁には、盛大にぶん殴ってやって!

ウラハラ(恵陽様)
かっ、かかかかわゆい2人……!
素直になれないツンデレ少女の全てを受け止めるその底無しの包容力は一体どこからくるんだ西ちゃんかわいいぞ!
後悔するお別れにならなくて本当に良かったね、これからも仲良くねと言いたいです。心が温かくなりました。

王泥棒の息子(紙男様)
嘘がつけない警察=泥棒と対極にある立場だからこそ、お兄さんはお母さんに会いに行けないのでしょうね。親子の縁を切ったのもそれが原因でしょうか。
お母さんの夢を守ろうとする弟くんが健気です。何だかんだと協力してあげるお兄さんもいい人(警察としては問題ですけど……笑)

詐病症候群(濱澤更紗様)
これは奇病……症状を伝えられない、信じてもらえないなんて何という孤独な戦い――と思いきやそういうオチでしたか。
彼ら(とそういう風にしている誰か)の目的は分かりませんが、少なくとも彼は三鷹くんに救われたのではないでしょうか。前回飄々としていたのでギャップが素敵w

太白寮小景 エイプリルフールの新入生(古月玲様)
もしかして『嘘』テーマでエイプリルフールネタって初?
この苗字は初めて見た時面くらいますよね。これと小鳥遊は一拍置かないと読みを思い出せない(笑)
男子学生たちの和気藹々っぷりが今回も健在でほのぼのしました。闇鍋の真相はいかに……

星の落ちる町(木村凌和様)
おさ少アンソロで見た名前があって、何となくほのぼのなお話を想像していたらそんなことはなかった……。
夕闇の中で語られる嘘とその正体。過去に何があったのか気になります。
それはそうとセーラー服にポニテですって? 可愛い以外の感想が他にあるんですか?(笑)

あにといもうと(磯崎愛様)
まず最初の歌が官能的らしいこと(ググりました)、牡丹は香りがない花であるのに、幸恵から漂う女のにおいが全編に立ち込めていて、何ともいえないエロスでした。糺は硬派だなぁ。
夢使いがどのようなものなのかつかみきれず、もっと詳しく知りたいと思いました。
→花うさぎさんのところはお花をすごく印象的に使われているサークルさんという認識ですので、このお話も絵を含めて素敵でした!

土曜日の嘘(mあんずk様)
初読では時系列や別れの理由が掬いきれなくて首を傾げていましたが、なるほど二次創作でしたか。
森山さんの原詞も切ない別れの歌だけど、こうやって具体的に日常が切り取られると尚更寂しい感じがしますね。
どうしてこんな嘘をつかなきゃならなかったんだろうって。

貫き通す(風城国子智様)
お互い密かに惹かれていたのに、別れのために嘘をつかざるを得なかった状況が切ないです。
刹那の再会も、交わることなくまた離れてゆく……でもここで働いている限り接点はなくならないから、今後も辛い思いを抱えていくのでしょうね。
花のエピソードが可愛らしかったです。

語らぬは(野間みつね様)
重厚な雰囲気で綴られる『俺』の心境の変化。嘘は言わなくても、真実を語らないならば結局それは長に対して嘘をついていると同じこと、というところが考えさせられました。
許せぬ裏切りと断じられ、それでも感謝できるほど、長に、魔術師に心酔しているのですね。

母猫は浄瑠璃すたあの夢を見る(庭鳥様)
あっ、かわいい……にゃあにゃあ言ってる(´Д`*)
地の文の語り口が優しげで心が和みます。自分の亭主を三味線の皮にしちゃえと考えていたところに当の本人(本猫?)が帰ってきたらそりゃ絶句もしますよね(笑)
母の思惑通り、娘たちが浄瑠璃すたあになったら面白いなぁ。

初恋が終わる日に(ひじりあや様)
星々に囲まれた情景描写が美しいです。冬だし絶対寒いんだけどそうと感じさせない温かさが文章から滲み出ていました。
嘘をつくつもりで結局つけなかった、っていうテーマの沿い方もいいですね。
運命的な巡り合わせで出会った二人が幸せになりますように!
→まぁメインは二人の関係と会話ですから、北風がビュウビュウ吹いて二人が鼻水垂らしてたら情景も何もあったものではないので、これくらいでいいのだと思います(笑)

Joke(鉤咲蓮様)
誰が誰を騙し、欺いて、読者をも翻弄しつつ決着に持っていく展開が面白かったです。
地の文の視点を1キャラに定めないのがわざとなんだったら凄い、まんまと騙されました。
演技を超えたシンシアの涙が今後どう展開していくのか気になります。

造られた通交(高麗楼様)
当時は糧を得るためにやむを得なかったのでしょうけど……こういった偽りは歴史の其処此処で行われていたのでしょうね。
最後の、記憶に新しい話題に関するやりとりに背筋が寒くなりました。

飛ぶ蟹(オカワダアキナ様)
不思議な空気感の主人公ですね。父と子の嘘であって嘘でない関係が適度な距離感。
言葉のチョイスと流れるような表現、単語と単語がそこかしこでリンクする感じが読んでて気持ちいいです。カニカマが赤いところとか好き。
→冒頭の一文目からもう既にオカワダさんワールドに引き込まれていました。「海から~」とか「小二の~」から始まっていたら普通すぎてこうはいかなかったのではないでしょうか、お上手ですね……!

ゆめのむすめ(孤伏澤つたゐ様)
からっぽのガラスケースの中にいるという貘。目には見えないのに、いると言われたら、いるのかもしれない。嘘を嘘と断じられず、信じ切ることもできず、かといって忘れることもできないのはつらいですね。
ところで軟骨ピアスってめっちゃ痛いんでしたっけ……ひぃぃ。

とある商人とイカサマ劇(末広圭様)
これは素敵なファンタジー! 忍び込むスリル、ターゲットを見つけた達成感、そうなるに至った事情と窮地を脱する手際、そして種明かし。
不思議で面白い設定の上に綴られた物語を、流れるように魅せる手腕はお見事でした。
猫が鞄持ってる(そうは見えなくても)と考えると可愛い。

Doubt -付箋-(ほた様)
仕事ができるエリートで美貌も兼ね備えている自信家女子の唯一の弱点、それを補う少年は小生意気かと思いきやしっかり者。可愛らしくて良いコンビですね。
咄嗟についてしまった嘘、今はただの見栄でも、本当になる日はそう遠くない予感がします。

花葬(海崎たま様)
ただひたすら美しい……私などの陳腐な言葉では言い表しきれないほどに。
願わくは、命を手放してしまった後にもう一度、その澄んだ瞳を見てみたかったです。
最後の花びらの嵐、彩り豊かな情景が目に浮かびました。
→艶のある文章で、モノクロの画面に花と透明な瞳だけが鮮やかな色をつけた映画のようなイメージで読んでいました(透明なのに色っていうのも変ですけど)。

lie,lie,lie(高梨來様)
温かいですね~、ほわほわ。カイくんは前回の湯たんぽの子でしょうか。
誰かを傷つける嘘じゃないのであれば、ついたことすら気づかれない程度のことなんですから、適当に流しておけばいいんですよ。ね。
ところで会話とキャラの関係性がいまいち掴めなかったので相関図ほしいです……
→(なんて言ったら本当にくださいました)あっ、相関図だ! わかりやすい!! わーいありがとうございます、言ってみるものですねw
双子のお姉さん以外はテキレボアンソロ出演済みなんですね。仲良し男子4人組が微笑ましいです!

僕は嘘の多い人生を送っとうからね(姫神雛稀様)
前回アンソロではサイジョー不在だったので、喋って動く本人にワクワクしながら読んでました。
途中から、えっ、女性だtt……違う、のか? ん? は? おぉ!? みたいな感じで驚きの急転直下ジェットコースターみたいな状態になってました。一体何があったのか気になります……

偽りを重ねて明日を望む(歌峰由子様)
宮内庁書陵部外部調査課という部署が本当にありそうな説得力がすごいです。
安いハンバーガーを奢ってもらうことが、彼にとっての明日への出口だったのかなぁ、とか。最後のやりとりも嘘であってほしいなぁ。
それにしても扇子が似合う美男子なんだろうと想像してました。いい。
→あまりにリアルでしたので、実在しない……よな? しないよね? と「宮内庁 組織」的なワードでググってから感想打った次第です(笑)
美しい青年が目に浮かぶようでした、命を削って儚くなるのもまた一興……。

刺青(泡野瑤子様)
高貴な出なのに鼻にかけず凛とした佇まいのシノはかっこいいし、ジェラベルドも正直でまっすぐで愛すべき青年、素敵なコンビ!
本当に何事もなく二十年過ぎたっていうのもこの二人ならあり得るな。
背中を預けられる相手って良いものですね。20年後の活躍も見てみたいです。
→剣とか相棒とか背中を守るぜ的なファンタジーが大好きなので、とても楽しく読ませていただきました。刺青の真偽はどうあれ、二人の絆は時が経っても変わらなそうです。

ライライ・ロングバケーション(紙箱みど様)
みかんちゃんは天真爛漫でホントかわいいなぁ。嘘がたくさんの世の中だけど、その中の本当を大事にしていけるなら未来は明るいしあったかい。
大切なことをみかんちゃんとコロッケに教えてもらった気がします(何言ってんだかよくわかんなくなってきた)

お皿は何枚(三谷銀屋様)
有名な皿屋敷のお話ですね。途中本格的なホラーの様相にうわああああってなりましたが、どんでん返しというか、粋なはからいというか。良い嘘でした。
鷽って見たことなかったので調べてみたら、何とまぁかわいらしい小鳥さんですこと! 本当に首飾りつけてるみたいですね。

クレイズモアの魔女と黒猫(たまきこう様)
脳内の情景は完全にホグ○ーツで再生されてましたすみません。
魔女と魔法と探偵と黒猫。全体的に漂うファンタジーな雰囲気がすごく好きです。キティの寂しさはこれからきっと癒されていくはず。

ねこのこ(瑞穂檀様)
うわぁん切ない……! 喪失を忘れたくて、家のことがほったらかしになるくらい、仕事に打ち込んでいたんですね。
子猫との出会いは、もう幸せを感じてもいいんだよという神様のはからいだったのでは。寄り添って眠れるのはあったかいですよね。

外伝・夢守人黒姫 嘘つきの味(服部匠様)
幼馴染み、大切な友達からさらに進化した感情は、例え表に出したとしても拒絶されるのが分かっていたから、嘘をつくしかなかったんでしょうね。
後悔しながらも最期を受け入れた日比奈の思いが切ないです。青子の思いもまた報われなさそうな気配が……
→自分の気持ちを一方的に押し付けるほどには強くなかったし、最期を拒んで自棄に走るほど弱くもなかったんですね。悲しい百合のお話でした。
余談ですけど青いロリータファッションって絶対可愛いですよね……(笑)

両手いっぱいのスイーツをきみに(西乃まりも様)
登場人物皆普通だけど、誰もが多分「もにょもにょ」を抱えながら生きているんですね。
両手いっぱいのスイーツは甘くてほろ苦い、でもあったかい味がしそうです。そして飯田くん不憫。(笑)

雪解け、桜の舞う夜に(梔子花様)
相手の男は最底辺の嘘つき野郎だけど、彼女にとってはいい雪解けでしたね。冒頭からきっぱり切ってやったのはスカッとしました。
桜みたいな淡いピンクのあたたかい恋がまた彼女に訪れますように。

嘘細工(亀屋たむ様)
職人さん、堅気でいいですね。押しかけ店番になったという少年とも、何だかんだと仲良さそうな言葉の応酬がほのぼのします。
嘘細工の、何をもってして『嘘』を冠する芸術品なのかが気になります。美しさはあるのだろうけど。

女ともだち(鳥井蒼様)
お見事などんでん返し、スカッとしました! 途中出てくる登場人物の伏線などもしっかり回収されて、面白く読めました。
敵を欺くにはまず味方になる(違う)危険と隣り合わせの現場で働く人たち、カッコイイです。
→女同士の会話って探り合いだったりマウンティングだったり結構黒い感じのものが多いですし(もちろん全部がそうではありませんが)、仲良くなる過程もとてもリアルでした。面白かったです!

東大ハムカツ男~実在の学校組織等とは一切関係ございません(まや様)
白衣に身を包み、毎日学食で勉強や瞑想をして『東大の頭脳』とまで呼ばれ学生に頼られるチカショクの名探偵さんが、まさかそんな(笑)。
テンポがよく、謎解きもほどよい難易度で楽しんで読みました。不本意な記録、どこまで伸びるのか気になります。

缶詰Friend(蒼那流様)
本名? アダ名? キャラの名付けが独特で、しかも単語縛りとはあまり関係なさそうな部分なので、どういう経緯でつけたのか気になります。
それにしても魚ちゃん、さっきまで「誰?」と聞いてたくらい知らない相手にいきなり友達申請だなんて勇気あるなぁ(笑)野菜くんと仲良くね!

にんげんと、にんげんだったものの、よる(柏木むし子様)
わーん可愛いインキュバスさん! 普段は押せ押せなのに本気で好きな子ができると壊すのが怖くてどう接していいのか分からなくなって急に奥手になっちゃうパターンですかこれ?
純粋無垢なモニャニヤちゃんと接したら毒気も抜かれるってものです。このふたりかわいい。
→テオくんかっこいいのにヘタレ(誉め言葉)ですねー! そしてむし子さんの書く女子の可愛いことといったら!

神様は嘘をついた(高杉なつる様)
子供の頃の気持ちって、恋愛感情でも憧れでも何でも割と刹那的なものですよね……でも、思い出してくれる人がいる限りは神様は死なない。だからその点においては嘘をついてないですね。
どうか、人としての幸せの中に、神様の居場所をずっと作っておいてあげてほしいです。

深海魚飼育のウソ(小出マワル。様)
あまり水族館に行かないので昨今の深海魚展示事情はよく知らないのですが、レポートとして分かりやすく面白かったです。捕獲が吸引ってかわいいな。
ところでテキレボツイート追ってると深海魚みたいなアイコンよく見かけるんですけどブームなんですかね……?

イグ・カフェにて(業平心様)
なるほどー! オチを読んでからもう一度読み直しました。確かに単語のチョイスがマニアックだったもんなぁ。初読はそれをオタクにありがちな言い回しだと思ってました。面白かった!
トキオくんの嘘に対する言い訳が可愛いです。
→必要以上に説明を連ねて、不器用ながら真摯であることをアピールして、予防線を張り巡らして、ダメだった時の対処もしっかり明記して、それはもう1から10まで完璧に武装して臨む孤高の戦士のようでした……(笑)

告白(桂瀬衣緒様)
桂瀬さん、まさか……いやそんな。ネタバレになりますので多くは語りますまい。
でもこのご時世、真実はどうであっても単純に嘘だと断じきれない何かがあるのは確かなんだよなぁ。
→例え嘘でも当人が真実であると仰れば我々は信じるしかないですからね……! 次イベントでお見かけした時まじまじと見てしまいそうです(笑)

10の真実(家登みろく様)
俳句作れる人ってすごいと思うなぁ。こんな短い文字のかたまりに広い世界を詰め込んでみせるんですもの。
特に好きなのは夢の国~です。何故か私が行くと大体中止になる花火ですが(笑)、帰り際のあの現実世界に戻される感じが「溶け」ていくという表現に唸りました。

fragile(小田島静流様)
あーこれ好きなやつだ……! ワケあり美少女と堕落した美オッサン(笑)、彼らに振り回される苦労人気質の有翼配達人。よくあの状況でご飯作れたな(笑)。
現時点では嘘も本当も分かりませんが、少なくともここで新たな物語が生まれることは確実ですね。続き読んでみたいです。
→最初堕落したオッサンとだけ打って「しまったこれじゃただの罵倒じゃないか」と焦って美をつけました(笑) 金髪エルフ耳も端正な顔立ちもお持ちなのに、何て勿体ない……!
オルトくんみたいなぶっきらぼうだけど面倒見がいいタイプ好みです!

いとのいと(星埜ロッカ様)
蜘蛛の巣に捕らわれたが最後、哀れな獲物は逃げ出すことはできない……ですね。
嫌よ嫌よも好きのうち、結局彼と彼女の欲望通りになりそうである意味ハッピーエンド? 彼女は日本人形のような美しさと艶っぽさがあって、妖しくも素敵です。

幕が上がる(フタガミサヤ様)
お互いがお互いについた嘘が、長い付き合いゆえの不器用な感じですれ違ってしまって切ないです。本当は引き留めたいし、引き留めてほしかったんだろうに。
ブレーキの音で始まり、クラクションの音で締めるのが過去と未来の象徴的でお上手だなと思いました。

嘘つきの末路(松井駒子様)
本編既読です。
松井さんの文章、最初はライトな感じでとっつきやすいのに、どんどん重く暗く落ちていっていつの間にか沼に嵌っている感がたまらなく好きです……文字運びとか美しくて。
佐用が手を伸ばすあたりでもうゾクゾクが止まりませんでした。残された荒廃が寂しくも美しい。
→一筋縄ではいかない感じが松井さんらしい文章だなと思いました。ところで私の最推し稲荷くんはこの時系列だとまだ春鬼くんと仲良くやってる頃ですかね?(関係ない舞台裏に思いを馳せる)

蜂蜜と少年のはじまりに(月灯様)
確かに子供には「嘘をついてはいけません」って教えますねー。そう言う大人の世界は嘘だらけなのにね。
でもお母さんの言う通り、身を守るための上手な嘘は生きていくためには必要なこと。少年たちが言いつけを守って平和に過ごせていることにホッとしました。
→嘘がバレて(もしくは最初から正直に話してしまって)、ソラくんが捕らわれてしまう結末なのではないかとドキドキしながら読みましたが、ちゃんと守れて本当にホッとしました。優しい着地点で嬉しかったです。

相談ドットコム(まりたつきほ様)
ずーっと笑ってました。何なんだよキンコwww
掲示板のやり取りも書き込み内容もリアルすぎて完全に知○袋の画面で脳内表示されます。間男の去り際が無様で、書き込み主のツッコミにも噴き出しました。
最後の書き込みも釣りとはいえめっちゃシュール。
→ホント楽しかったです。「えっ? やだー全然わかんなーい☆」などとすっとぼけるほど若くはありませんので大体の想像はつきますが断定はしないでおきます(笑)謎は謎のままにしておきましょう!

このお話はフィクションです。(ひざのうらはやお様)
殺しとか罪とか刑とか重い単語が飛び交ってるのに、ノリ軽っ!! おかっぱで某お笑い芸人に似てると言われてバナナの人が喋ってるようにしか見えなくなりました……(笑)
トオルくんも体張ってボケに行くあたり素質あるのでは(何の)
あ、バナナマンじゃなくて山ちゃんなのか! そういやメガネかけてる(ご本人のツイート見た)

うそつきの種(七歩様)
種族間に立つ壁は越えられそうな高さなのに、『あの人』はそれを越えようとはせずに壁の向こうをひたすら見つめて、手だけを後ろにいる『私』に伸ばしている感じが何とも残酷で切ないです。
レイミーの、二人に対する情愛が透明で純粋なだけに尚更。

誘惑Strawberry(石井鶫子様)
うえええかわいい;;あるじとおでこくっつけてるとこかわいい;;;(語彙崩壊)
いちごを守る騎士みたいなねんちゃんと、ねんちゃんがちょっぴり嘘をついたのを絶対気づいてて黙ってくれる大きい光忠さんの笑顔にやられました。癒された。

透けた手紙(能西都様)
半透明の封筒に赤い便箋。あの手紙の山の一部となるのか、はたまた相手に届けられるのか分かりませんが、過去の嘘で喜んでくれたのなら、その手紙は届かない方が幸せなんじゃないかな、とか思ったり。
地の文が神視点なことで独特の雰囲気が出ていました。

契情騙記(蒸奇都市倶楽部(シワ)様)
対価を払って手に入れるひと時の夢。それはあくまで夢であって、現実に持ち出してはいけないから嘘をつくという、花街の女の矜持をひしひしと感じました。
でも実際その嘘は、男の語る『夢から現実への道標』に身を委ねる不安や自分への戒めから出たものかもしれないですね。

嘘と秘策のえとせとら(青波零也様)
そんな経緯で秘策は生まれたんですね。『良かった、病気の子供はいなかったんだ』的なスタンスで。ある意味力技だけど、綿貫さんいい人。2人が会話しているだけなのに世界観が分かりやすくて面白かったです。
皆が結ちゃんみたいな能力持ってたら世の中に未解決事件なんてないのかしら。

柊彼方と四月一日(坂本蜜名様)
あぁぁ、これは抜け出せない罠にはまりましたね……。嘘をついていい日でも、内容と相手は選ばなければならないという良い教訓になる、と、いいのですが。
生徒会の面々が一癖も二癖もある人たちばかりで、萩くんの今後の受難が目に浮かぶようです。

私のまぶたに背信を咲かせて(篠崎琴子様)
不思議な設定を掴むのにちょっと時間がかかりましたが(人名なのかそのままの意味なのかしばらく判断つかず)、異種婚姻譚、ロマンチックですね。子は人のかたちをして生まれてきたのかな。
後半の、花を咲かせて夫が姿を現した描写がとても美しくて息をのみました。

真の名は。(青砥十様)
あんなに話題になった元の映画を見ていなくて、おぼろげに主題歌のサビの歌詞だけは知ってるかもという程度の知識ですが、テンポが良くて楽しく読めました。
悪いことしなくても、人と違うだけで迫害されるのは今も昔も変わらないですね。笑いの中でちょっぴりしんみりしました。
→自分たちと違う=未知の力を持っているかもしれない=怖い、という防衛本能から迫害に至ってしまうのはまぁ理解できますけども。
青砥さんのふみちゃんシリーズ少しだけ読んだことあるので、妖怪話がここでも読めて楽しかったです!

淋しいおねだり(行木しずく様)
嘘をついたら一目で分かってしまうのは大変だけど、羽根が舞うというのが幻想的。
もしかして先生たちがいないのは、こうして魂を削りすぎた大人だからでしょうか。
黒百合が求める人と一緒にいられる時間は案外短そうで切ないです。

そらふね(暁湊様)
「ぴゃ」がたまらんです……フェレットかわいい(*´Д`*) 投票用紙と、チケットを入れた時の音が違うあたり、チケットの方はすぐ材料になったのかな。
嘘で作る船というのがとてもファンタジックで素敵です。2人(1人と1匹)はどんな嘘を書いたのでしょうか。

嘘とゲームと幼なじみ(谷町悠之介様)
MMORPGにドハマりしていた過去の経験から幼馴染ちゃんに親近感……そりゃ痛い目もそれなりに見ましたけども。
でも『俺』くんは画面上の『親分』に彼女の身も心も奪われてしまう前に対策打てたんじゃないですかねぇ。リアル付き合いの強みってやつで。時既に遅し?

魔法少女の掟(橙河さゆ様)
まさに狂気ですね……その嗜虐的思考が恐ろしい((((;゚Д゚)))
ターゲットにされた少女はオモチャにされてることに気づいていないままひとりで頑張ろうとしているのが健気で痛ましいです。声掛けた少年が救いの神になってくれる展開だと私が嬉しい。

舞台上の合法(緑川かえで様)
アンソロで彼らのお話を読むのは3作目ですが、今回が一番キツイです……2人分だからかも。私の中ではR18G指定ですが、好きな人はトコトン好きそう。
主さんは役者になれたなら、虚構のなかで欲望を昇華できたのでしょうね。そしてやっぱりお父さんは……

自由に道は選べなくても(呉葉様)
あっ……サイアッドくん、まだ気づいてないんですね可愛い(笑)
3人のやりとりが、気の置けない友人のようで(本人たちがどう思ってるのかは分かりませんが)ほのぼのしました。
どうにもならない現実に直面しても笑ってみせる、キサラギくんの明るさに救われます。
→ テーマがテーマなので陰謀や悲恋が多い中で、とても癒される和やかなお話でした。
サイアッドくんは気づかない時間が長くなればなるほど、気づいた時の衝撃とリアクションが大きそうですね(笑) キサラギくんは隣でニヤニヤしてるといいよ!

悲恋を望んだエゴイスト(風合文吾様)
お互いに想っていながら伝えることができないまますれ違って、訪れる別れ……まさに理想的な悲恋ですね。
そもそも恋の成就を望んでいないから、『必ず悲しむことができる方法』を模索していたかのような。叶って良かった……と言って良いものかどうか。

嘘つきレジェン Sequel(テキレボアンソロジー版)(DA☆様)
目の前であんな力を見せられたら、心の弱い者は飛び付いちゃいますよね。国王も家臣や小姓たちを御せないあたり、見るからに弱そう。戦争の結末も予想通りかも。
意趣返しとはいえ、結局何も満たされていないのが物悲しいです。

ブラックベルベット・サァカス(ろく様)
鵺によって作られた夜の舞台を飛び回る白と紺の演者と、煌めく刃に響く銃声。そしてそこに観客が加わるなら確かにこれはサーカスですね。見世物になっている側はたまったものではなさそうですが。
レトロな描写が格好良かったです。いつか天幕の外に出られるといいですね。

高い値段の「嘘」の代償(セリザワマユミ様)
さいご(爆笑) げに恐ろしきは人の欲望なり。私も引っ掛かりやすいタイプなので気を付けよう……。
1人の時はその場で決断しないようにして「財布は家の者が管理してますので」で逃げる! よし!(シミュレーション完了)

モーション・ピクチャー・サウンドトラック(絲しじま様)
たくさん飲んでも死ねないし、身体に悪いことは間違いないし楽になれるどころか中途半端に苦しい思いをするのに、やめられない。
二人一緒にいられることが、モノクロで退廃的な世界の中で唯一の救いに見えました。

やわらかな檻(望月あん様)
人間、ダメだと言われる物事には魅力を感じるものですよね。囲っている檻を壊せたとして、禁忌が相手にとって禁忌のままだったら結局その想いは報われない。
必死に耐えている妹ちゃんがどうしようもなく切ないです。唇の描写が、なんかこう、熱かったです……。

夜のさんぽ あるいは男子高校生のとりとめのない(壬生キヨム様)
あー分かる、ごみ収集車の横に掴まって次の収集場所まで移動する姿はかっこいいし、四角く固まったごみもSF(?)っぽくてワクワクしたなぁ。
誰もが嫌がる事を、その人が嫌々やってるとは限らないですもんね。峯田くんまっすぐで可愛い。テスト頑張れ!

Fibber&Wimp(青銭兵六様)
うへへジェフリーさんカッコイイ……! ハードボイルド味が溢れててニヤニヤしてしまいました。
『根性三倍』になる代償が『知能指数百分の一』っていうのが男の生態を分かりやすく説明していてすごい。タバコがこんなに似合うお人もそうそういないでしょう。

彼方に送るは虚か実か(轂冴凪様)
封筒に書かれた二文字というのは、多分あの二文字なんでしょうけど……。前回のニンジャ(そこか)を拝読しているので、穣に帰る意志はもちろんあるのでしょうし、いつも通りのメールを送ればきっと読んで笑ってくれますよ。
早く定期連絡来るといいなぁ(信じて疑わない目)
→そうそう、今回幹太が冒頭で食べていたのもラーメンだったので、おぉシンクロしている! と感動しました。
きっと今頃宇宙ではあの3人が愚痴を叩きあいながら必死に復旧作業していることでしょう、と勝手に想像しています。

永久の夢を夢見て(とや様)
鮮やかに手段と目的が逆転していましたね。地質学者の言う通り、この多種多様な世の中で、やりたいことのために心血捧げられるような生き方ができる人は少ないし、そういうものに巡り合えたことがすでに幸運なわけで。
夢への逃避が成功したら、同時に達成感も味わえるなんて素敵。

僕は魔王にはなれない(凡符様)
魔ラクだけ既読なので、タイトル言いそうになったところのやり取りで噴き出しましたw あーダメもうニヤニヤする。
こんな場末の喫茶店で魔王爆誕。序盤の町近辺で出る敵が弱いのは、こういう魔王様の(割と切羽詰った)経済管理という名の配慮から来ているんですね。恐れ入ります。

ヴァレンティヌスより愛をこめて(檜様)
拝読してから、実際の言い伝えを読みました。神様を信じたから奇跡が起きた、まさにあの教えの通りなんですね。
宗旨替えした彼らの未来、言い伝えでは残念な感じになってましたが、この物語ではそこまで描かれていないので是非穏やかな日々の中で祈っていてほしいものです。

待ち時間に彼女を(谷水春声様)
静かで、不思議なお話でした。淡々と綴られる情景描写は時を止めていて、心の中は過去と現在が入り乱れて、すべてを思い出した瞬間から正しく動き出したかのような。じわじわ判明していく様が良かったです。
絵が無事に完成したら、主人公は再び前に進めるのでしょうか。

恋人たちの殺人事件(跳世ひつじ様)
男女逆転感あるのは名前のせいだけじゃないですね。このお姉さん格好いい。
殺人事件の謎は分からずじまいですが、殺される人数とタイミングからもしかして……いやまさか、みたいな。

可哀想なコーボルト(きと様)
コーボルトが可哀想だと、もしいたら労ってあげると言える彼女だからこそ、蒼吾も惹かれたのでしょうね。きっかけはただひとつの笑顔なのだったとしても。
ただ作り話の中の『娘』と自分を重ねるほど、蒼吾のしていることは醜いとは思いませんでしたが……読み込みが甘いかな。

《童話》馬術のおねえさん(悠川白水様)
童話、おねえさんと小学生の交流がほのぼのとしていて良かったです。でもどこに嘘が……と思っていたら、なるほど、そこなんですね(笑)
今まで出てきてない斬新な手法かもです。これを機に童話本とか出してみては……
→確かに童話って簡単な言葉を選ばなきゃいけないから、普段書き慣れてるものと違って大変そうですよね。でも優しい語り口と結末でほっこりしました。

正直者の日(病氏様)
1日限りとはいえ、世界的規模で催されるこの試みのシステム構築がまず凄いですね。そしてやっぱり徹底的に告知していても罪を犯す人間は一定数いるのが面白いです。
コタロウさん、最後の心の叫びはあれですか、やはり心当たりが。(笑)

終点の海(斉藤ハゼ様)
増えてる路線になんだおまえとか、白鳥の例えとか、風にもっと吹けやとか、せり子の表現力が豊かで面白いです。もう一度読み返してみると、父の最初の言い方はやっぱり不自然な感じがしますね(笑)
『偽物でも残しておけば記憶の不確かさに抗えるのだろうか』がずしっと来ました。

ぼくは嘘をつきました(白河紫苑様)
嘘と本音が入り交じるモノクロの世界で優雅に舞う蝶。文字の配置やフォントの選定が美しくて、やはり最後の一文はインパクト大です。
特殊装丁の現物を手に取って見てみたくなりました。

枝葉末節(モモウメ様)
前回テキレボから変わったのは私が原作ゲームを触ったことであり、触る前に読んでたらこの話はちんぷんかんぷんだったろうなと。すげぇ全員分かるわって感動しました(笑)
名を覚えない髭切が一度だけ呼んだ弟の名前の破壊力は凄いですね。感動する膝丸かわいい。
→ゲームは本当に少し触っただけで、あとは花丸とTwitterで得た知識程度のにわかですが、ちゃんと情景が脳内に浮かびました。石切丸さんほのぼの。
髭切の長く生き過ぎたがゆえの厭世観というか、そんな中で名を呼ばれることの価値の大きさったらそりゃもう膝丸は文字数

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以上121作品の感想、お粗末さまでした。

テーマが『嘘』なので、私の好きなほのぼのほっこり系は少なかったかな? という印象でしたが、どれも楽しく読めました。
前回『和』との関連作を書いておられる方の作品は懐かしくなったり、新しい切り口の方は「こんなのも書けるんだ」となったり。

イベント当日、皆様の本を手に取れるのを楽しみにしております。

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発行:Text-Revolution準備会
判型:未定
頒布価格:未定
サイトText-Revolution準備会
レビュワー:卯月慧