双子の夜明けと魔女の呼び声(上)

一族を離れ、ベルナルドの料理店に引き取られた双子のアイとユイ。料理店の従業員として働くかたわら、魔術の厳しい修行もはじまった。ぐんぐん魔術の素質をあらわしていく妹のユイに、アイは焦りをつのらせる。そんな折、双子の“命の恩人”が行方不明になってしまった。彼を見つけ出すためにユイはますます修行に打ち込むが、アイのとった行動は……。
ちょっとだけ大人になった少女たちが紡ぐ、絆と成長とほのかな恋の物語。そして、世界崩壊の危機の物語。
（※サークルサイト様紹介文より転載）

※ヒロイン☆ふぇすた！参加作品

超ド級の本格王道ハイ・ファンタジーを味わわせていただきました！　シリーズ二作目だと知らずに読んでいた（…すみません）、阿呆の私でも全然問題ない面白さでした！　上質な文章表現で顕された厨二要素にただただ疼く右腕…でも全体は丹念に織り込まれたタペストリーのようなファンタジーで、読書家の方でもきっとご満足。

よくよく考えればウルトラチートのヒーローの主人公・ハヤさんですが、丁寧な描写と物語進行で設定がすんなり腑に落ちるという、すさまじい体験をさせていただきました…普通に書いたらこうはなるまい…。“天使”と称賛される彼の、分かつことのできない孤独がひたすらに切ないです。

他にも魅力的なキャラクターが盛りだくさんに、味わい深い設定で描かれる世界観はとても心地よいです。タイトルにあるようにキーとなる双子、アイとユイがどんな道を選び、歩いていくのか…続編も楽しみです（もちろん、ちゃんと前作読んでから）

発行：かぶ☆けん
判型：文庫（A6）　256P
頒布価格：1000円 / イベント売り800円
サイト：かぶ☆えき
レビュワー：世津路　章