ホームレスと迷い犬(2)
主人公の清水泰祐、諸事情によりホームレス。公園で途方に暮れる彼の元へと寄ってきたのは1匹の犬。なんだかんだ言いながらも世話をし始めると、運が動き出し……。
(テキレボWEBカタログにも掲載あり)
※この作品の過去の投稿
ホームレスと迷い犬(1)
タイトルが「ホームレスと迷い犬」と言う、どちらと言うと「悪いイメージが」ありそうな物を、どっこい表紙の絵が完全に吹き飛ばしてくれます。主人公と犬のイラストがとにかく可愛くて、とても明るい雰囲気がある。
物語はホームレスとなり途方に暮れる泰祐と彼に救いの手を差し伸べてくれたすみれとあきらが、泰祐に懐いてしまった迷い犬の主を探すための努力をしつつ、動物保護センターの活動などが丁寧に書かれてる。じつは、そちらがメインなのではと思うほど詳細に書かれていて、日本のペットの実情が垣間見ええます。それは「たいへん」の一言。じっくりと読んで欲しい部分。
終盤、迷い犬の正体が判明するが、そこで示される事実に、はっとさせられた。「飼えない」「飼えなくなる」ではなく、もう1つの理由で迷い犬にならざるえなかった、「人間とペット」の関係を改めて考えさせられた。
ネタバレするので最後は伏せるが、目標を持った人間は前へ進める事を示してくれていて「泰祐、偉い!」と思わず声が出た。
今、ペットを飼っている人、これからペットを飼おうと思っている人、そして、これからもペットを飼おうと思っている人に読んで欲しい。
発行:Natural maker
判型:文庫(A6) 54P
頒布価格:200円
サイト:Natural maker 広報分室
レビュワー:夜海月亭よーぐる