ともだちの国

arasuji
琵琶湖の北端、ある秘められた宗教国家に暮らす、美しい稚児さんの話。
誰もが使えるはずの「不動」という秘術が使えず、
夜伽の中でだけその国にいることに価値を見つけられる男の子の話。

その国では男女間の恋愛は結婚前には認められず、同性間によってのみ愛し方を覚えていく。
その同性同士の関係を、その国では「ともだち」と呼んでいる。

(第二回テキレボWebカタログより転載致しました)

kansou

みんなを好きってことはみんなを好きじゃないってことなんだよね。誰かを好きってことは、他の人は好きじゃないってことだし。

「ともだちの国」は世界観や設定も作り込まれていてその辺が好きな人ならぐいぐい読めると思いました。

せっかく作り込まれた素敵な世界観なので、ぜひ物語に入り込むためにも地図が欲しい!

「侍女」になるのには何か条件があるのかなって思った。孤児か、父親が元稚児または僧侶なんじゃないかと勝手に思ってるんだけど。

読みながらなんとなく「にゃんしーさんと自分が小説執筆で同じ壁につき当たってるかもしれない」っていうところがおこがましいけどあって、そこをにゃんしーさんは軽々と乗り越えてしまうんだろうかっていうのが心配。よい意味で。

テーマソングは中島みゆき「空と君との間に」で。

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発行:おとそ大学パブリッシング
判型:文庫(A6)
頒布価格:600円
サイト:おとそ大学パブリッシング
レビュワー:相沢 ナナコ