arasuji

海と人魚をテーマにした、SF・ファンタジー短編集。
2016年秋の新刊です。
空と宙がテーマの「ヴェイパートレイル」とともに初めての方にもお勧め。

鬼の若者と人魚の姫の視線の交差を描く「白露」「海神の炎」、
船乗りと宇宙船AI、そして彼らを見送る管制官のコメディタッチSF「宙の渚のローレライ」、
エネルギー王の娘と機械仕掛けの人魚のアラブゆり「エフェメラのさかな」、
喪服の画家と海辺の町で育った少女が見る海「ウルトラマリン」、
人魚の呪詛と憎悪によって生まれたふたご「スオラ」の6編を収載。

(第5回Text-Revolutions Webカタログより転載)

 

kansou

テキレボアンソロで興味をひかれたお話の本体は
艶っぽいなんてものじゃなかった……壮絶だった……。
鬼と人魚姫の両者から語られる同じ「時間」。
人魚姫の方により感情移入して読めたけど、鬼の気持ちも納得感がある。
確固とした生々しさがあって、登場人物が生きている。
呪い師の物語が気になる……と読み進めて、えっ、もしかしてこの人って(ry)。

「宙の渚のローレライ」は私のアレとちょっとネタが近い気がした。
ヒロインは読めたけど主人公には驚いた。
その××要素は、現代日本では感動と共に語られることが多いのだけど、
私も少しその××要素を持っていて、
世の中での語られ方にもにょもにょしていたので
こういう「そういう要素はあるけどそれだけ」の人達の物語として描かれていたのが嬉しかった。

表題作は、キャッ(赤面)
いや普段からジェンダーがどうのという話をしがちな私には一番刺さったお話でございました。
これは百合なのかしら?(ジャンル定義に疎い私)(作者さんから百合ですとお答えいただきました)
ままならなさを、その能力で切り開いていく女性主人公は大好きです!!!!

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発行:灰青
判型:文庫(A6) 120P
頒布価格:400円
サイト:灰青
レビュワー:氷砂糖