みのり二人


 寒い大雪の日。体調を崩したみのりが学校を早退してくると、母親がいるはずの家には鍵がかかり、なぜか雨戸まで閉められていた。
 通りがかったお姉さんに助けられて、みのりはお姉さんのアパートに落ち着く。
「それよりさ、その『お姉さん』って呼び方、何かやだな…私、みのりって言うの。みのりでいいよ」
「ええ?!………私も、『みのり』なんです。ホントです」
 同じ「みのり」という名前で、顔もみのりに似たお姉さん。初めて会うその彼女は、みのりの趣味や、誰にも言っていないはずの悩みを次々に言い当ててくる…。
 思わぬラストが待つ、心温まるSF短編。

ともにSF要素が入った青春物とコメディ。つかみにもう一工夫ほしいけど、そこを越えれば臨場感と味のあるサブキャラが話を進めてくれる。ラストが気持ちいい。特に巻頭作は先行きに悩みがある方必読(解決はしないけど元気は出るはず)


発行:新嘲文庫
判型:A5 118P
頒布価格:300円
サイト:新嘲文庫
レビュワー:えりふみ