みのり二人


 寒い大雪の日。体調を崩したみのりが学校を早退してくると、母親がいるはずの家には鍵がかかり、なぜか雨戸まで閉められていた。
 通りがかったお姉さんに助けられて、みのりはお姉さんのアパートに落ち着く。
「それよりさ、その『お姉さん』って呼び方、何かやだな…私、みのりって言うの。みのりでいいよ」
「ええ?!………私も、『みのり』なんです。ホントです」
 同じ「みのり」という名前で、顔もみのりに似たお姉さん。初めて会うその彼女は、みのりの趣味や、誰にも言っていないはずの悩みを次々に言い当ててくる…。
 思わぬラストが待つ、心温まるSF短編。

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みらい少女


未来に起こる大きな戦争を防ぐために
時空管理国際機関日本支部のエージェント・大野さんに与えられた使命――

“森下ナナエが秋山ヒトシから消しゴムを借りるのを阻止せよ”!

普通の学校の普通の生活の普通の同級生たちに紛れ込みながら、
今、大野さんの孤独なミッションが始まる――!

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セフトバンク・ダディ(2)


「たけまる信金、メガバンクモードへシフト!
 お客様の強行突入に対し、対地対空迎撃戦を展開します!」

金融機関からの現金強奪が合法化した、いつかの未来。
武装し要塞化した銀行及び信用金庫『メガバンク』は、
日夜強盗企業との激しい攻防を繰り広げていた。

窓口係兼第三砲撃手、上武凛子の勤めるたけまる信用金庫に、
大手銀行をいくつも破ってきたという新進気鋭の強盗企業『白糸家』が襲い掛かる。
銀の翼で空を飛び、弾幕を潜って現れたその敵は、人語を解する白い柴犬だった。

これは、この世で最も強き父親たちが贈る、ハートフル・バトル・ホームコメディである。
(サークルサイトより)

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ファントム・ペイン


ジェフリー=クロウズ・シリーズ第1巻
私立探偵「ジェフリー=クロウズ」が、様々な事件を、時にシリアスに、時にコミカルに解決していく、ハードボイルド風作品です。
シリーズ物の形式を取ってはいますが、一話完結スタイルなので、一冊だけででもお楽しみいただけると思います。
第1話ファントム・ペイン
 クロウズが引き受けた依頼、それは「マリア=アークライト」なる女性を捜し出して欲しい、と言うものだった。
 マリアを捜し出したクロウズは、彼女が「心」を持つアンドロイドである事を知り、彼女のささやかな願い「海を見たい」をかなえる為、行動を共にする。
 だが、マリアを狙う別の男達が現れて………
第2話ランニング・ホイール
 クロウズの下に、旧知の友人、リサ=イヴンハートが訪ねて来た。
 彼女の依頼とは、テロリスト、ベルナルド=モートンの捜索。
 一度はその依頼を突っぱねたクロウズだったが、リサの口からその理由を聞き、引き受ける事にする。
 リサがモートンを捜す理由、それは彼女の亡き夫と子供の、復讐だった…。 
第3話フリー・ハンド
 〈リッパー〉、それは市街を騒がせている、連続殺人犯に付けられたあだ名だった。
 アルフレッド=マコーウェル警部に依頼され、〈リッパー〉の捜査をする事となったクロウズ。
 やがて、捜査を進めていく内にクロウズは、事件が、そして何より〈リッパー〉が自らに深い関わりを持つ事を知る。
 果たして、〈リッパー〉とは?
第4話ヘヴンズ・ラダー
 最近、市街にはあるドラッグが流行していた。その名は「ヘヴンズ・ラダー」。
 母親がヘヴンズ・ラダーによって昏睡状態になってしまった少女、サラの依頼をクロウズは引き受ける。
 パパに会いたい、と言う小さな願いを。
 報酬は、コイン1枚、1クレジット。
(サイト煉瓦壁より転載)

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世界再生の書物と一つの楽園(2)


西暦3300年、物的資源問題を解決した人類は、自らの量子化を済ませており、優雅で怠惰な、種としての余生を過ごすのみとなっていた。荒廃した地球を見捨て、雲上都市へと逃げ去った人々は、しかし、孤独に苛まれ、地球全土を網羅する過去の遺産たるネットワーク上に、六つの学園からなる一つの楽園を構築した。これをRe:Worldと呼ぶ。仮想空間上の学園に転校してくる自身の情報を伏せた天界人の中に、記憶を持たない少年が現れたとき物語は始まる。くしくも眺望を司る華久楽大付属雅高等学校では、一年次の代表によるクラス対抗レクリエーションが始まろうとしているところだった。
(作品カバーより)

※過去の感想はこちら
 ・世界再生の書物と一つの楽園(1)

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妖都上海のでぶ女


巨大な蝸牛に似た階差機関「転輪聖機」を中心に座する妖都上海。その一角で育つ少女雪娥の悩みは迫ってくる纏足への恐怖だった。

「私は四つの時にやったの。覚悟しておくことね」

「見なさい、私の足、こんなに小さくて可愛いの」

「虫さされよ。たいしたことないわ」

 雪娥にはよく解らない言葉が弔問客や父母たちの間で飛び交っていた。妊娠、子供、不義、密通、自決。

 赤い籠に乗せられて、英蓮は知らないお家にいってしまった。
第十八回文学フリマWEBカタログより転載)

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天星鉱石店


血石に導かれて、二人の少年が辿り着いたのは鉱石を扱う店「天星(あまほし)鉱石店」。二人の望むものはここで得られるのか―――「天星鉱石店」
瘴気とスコールから逃れるために、人類は高層建築物に住むようになった―――「ふたつのグラス」
バイト先から、マジョさんのところへお使いを頼まれた―――「白魔女の庭」
三編からなる短編集。

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超絶変身ユカリオン1&2


1巻:
六年前の火事で母親を亡くした少女、由香利。
十二歳の誕生日前夜、宇宙侵略者Dr.チートンが作り出した化け物、異次元モンスターに襲われる。
絶体絶命の由香利を助けたのは、幾度と無く夢で現れた緑色の宝石、リオンクリスタル・アルファの力だった。

2巻:
人間の生体エナジーを奪う「異次元モンスター」と戦う毎日の中、学校ではいじめられっ子の少年「優人」と仲良くなる由香利。
そんな中、かまいたちを操る謎の敵「ロスト・ワン」がユカリオンの前に立ちはばかる。
完結巻。

※公式サイトより

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