近づくな魔法少女がうつる


  魔法少女に憧れる箱入り文学娘・細谷雪子。自分を「姫」と信じて疑わず、王子様を待ち続ける元子役美少女・桜井芳美。そしてそんな二人を受け持つ、DQNネームの冴えない教師・森野梟。この三人が夜の教室に集った時、突然異世界に飛ばされてしまうのだが、森野は王子、雪子は姫、そして芳美は姫の従者と勘違いされてしまい……

森野はともかく雪子も芳美も、一癖どころか二癖三癖あろうかというヒロインでこの二人のやりとりにおけるドタバタが面白い。雪子の何としてでも魔法少女に、そして芳美の何としてでも姫になろうとする根性が両者通じ合っているような気がする。似た者同士なんだなあ。この二人の友情も今後に期待。
多少強引な展開だがむしろその強引な展開こそがこの小説の持ち味でありギャグであり読者をひきつけて離さない。こう言った小説を不得手とする自分からすると羨ましいの一言です。
何故突然異世界に飛ばされたのか、最後に登場した男子生徒は一体どういう人物なのか明らかにされていないので続きが気になりますが、著者の天竜川来良さんによれば次回の秋文フリにてやはり続編が出るとのこと。期待したい作品です。


発行:黒い紅茶
判型:A5 56P 
頒布価格:400円
サイト:黒い紅茶

レビュワー:おきあたまき