猫の手鏡


──その手鏡は、つい一ヶ月前まで閉じ込められていた奴だ。
そんな相談にきた学生とその手鏡にまつわる少し不思議な物語。
(創作文藝見本誌会場HappyReadingより)

猫の細工が施された手鏡に「閉じ込められていた」と言う相談者の青年。「君がきてくれるようになってから大変助かっているのです」と教授は言うが一体何が役に立っているのかわからない。自分に何が起きたのかさえわからない青年に向かって、教授は不意に手鏡を向けてきた──

最後に謎が解かれるけれど、読者をいい意味で煙に巻くような、何とも不思議なお話。何度もループする描写が面白い、お薦めの掌編である。


発行:ばるけん
判型:A5 20P 
頒布価格:200円
サイト:BK+

レビュワー:おきあたまき