A Rose with the Guns


 難関を突破し念願の国家保安局捜査官候補生として採用されたドリューは、いつまで経っても資料室付けの研修身分から卒業できない日々に焦りを感じ始めていた。そんなドリューの前に、ついに捜査班配属への辞令が出される。個性的な同僚達に魅力的な上司に囲まれて期待に胸を膨らませるドリューだったが、捜査が進むにつれ、自分が向き合わなければならない現実をいやが上にも思い知らされていく ―― 。
 果てなき敵との戦いに、救いはないのか? 反政府組織撲滅を誓う国家保安局捜査官達の悲哀を描く、サスペンスシリーズ第2弾。

 主人公は「Angel in Shadow」のドリュー。
 いえ、続きものではないのでそれぞれそのまま楽しめるのですが、今度の本ではドリューは……あ、これは「Angel in Shadow」を読んでいらっしゃらない方へは知られてはいけないかな??
 幻奏華さんの本は、登場人物の心理描写がとても丁寧で、再読するたびにまた違った物語に見えてくるので不思議。
 今度の本も、まだ一回しか読んでいないけど、再読時は違ったお話を読んでいるように感じるのだろうなぁ。
 今度はテロリスト側の誰かの物語を読んでみたい!というのは、いつも悪役?側に感情移入してしまいがちな私のくせのせいなのだが、この物語には悪役という見方がとても似合わない。
 あぁ、幻奏華さんの本を読むと、人生の悲しさというものが染みてくる。
 どうしようもない孤独と悲哀。
 その中で生きていく人々。
 私もこういったものが書けるようになりたい。
 好きな作家さんであり、尊敬する作家さんであり、目指したい作家さんである。


発行:幻奏華
判型:文庫 222P 
頒布価格:400円
サイト:幻奏華

レビュワー:神風零