トト


居心地の良い店と女主人、わたしの居場所。(著作者様のサイトからの転載です)

2010年発行の無料配布だったこの本をもらい、私は早速イベントの自分のブースで読んでいた。
当時、慣れない仕事に疲れていた私には、このお話の主人公の気持ちが自然に浸透し、…いや、気持ちではなく、彼女が見ている世界が目の前に現れたかのような、自分も彼女の横でそれを見ているような錯覚に陥った。
行きつけの居心地のいいお店。私もここの店のカウンターに座り、酒を飲みたい。マスターのトトと話をしていると、多分泣きだすに違いない。そうやって吐き出して、私も仕事を頑張っていきたい、そう思いながら読み終えたとき、ブースで泣きだすかと思った。

今でもしんどくなると、読み返す本だ。
友人や仲間、それだけじゃなく、私の背を押してくれるのは、こういう小説も、と思っている。


発行:下町飲酒会駄文支部
判型:文庫(A6) 26P
頒布価格:無料配布
サイト:駄文の王様

レビュワー:神風零