腐れ街の蛇


ナトトは腐れ街の“蛇”。「館」の女主人に同郷の少年ワルルと共に拾われれ、街に流れ着いた青年。香を商う裏社会の女主人の「館」で用心棒として、“蛇”としてその任務を果たす。裏と表の世界を描いたアジアンファンタジー。シリーズ1作目。

ナトトはクールで少し怖いような印象を受けるのだけど、表の世界で生きるワルルのことを素知らぬふりをしながら面倒をみたりと優しいところがにんまりとしてしまいます。裏では優秀な蛇としての恐ろしさも持っていてどきりとします。湿気と香りと神話と祭り。それがこの物語を彩っているものであり舞台で、ほの暗さと湿り気がとても落ち着きます。夜の沼にひたりたくて、何度でも読みたくなる物語です。


発行:pamplemousse
判型:A5 28P  
頒布価格:300円
サイト:不明

レビュワー:真乃晴花