微睡する自律演算装置


デシミシュに住まう代筆屋のロレンはある日、あかがね色の不思議な正方形(クアドラ)を手にする。正方形から忘却の名を冠する少女が現れたとき、ロレンは目にしてはならないデシミシュの真実を見る――三日月理音がお送りする幻想ファンタジィ第二弾。(同人誌裏表紙よりそのまま引用)

26ページと言う短さが実にもったいないと感じるほど、
独特は雰囲気を醸し出し、物語に世界観のある物語。
ファンタジがぎゅっと凝縮されています。
あらすじにもあるように主人公ロレンの職業が代筆屋、
という時点でか心が掴まれ購入し読んでさらに好きになりました。
主人公ロレンと少女“忘却”は作中で古語を互い話していますが、
それをカタカナでラテン語表記しているところが凝っていると思いました。
主人公ロレンが真実を知るためにヴァルム山へと向かったように、
この物語の続きやさらなる深遠を読みたい読者は、
三日月さんが描くクアドラを探し出して導かれなければならないのかもしれない…。
“忘却”という少女の作中の悪魔のような囁きに誘われるがままに、
私もこの物語の続きを待ちたい、もっと読みたい、と思います。


発行:HONKY-TONK
判型:文庫 26P
頒布価格:200円
サイト:BAR 道化倶楽部

レビュワー:琥珀舎ハコ