鉱石展示室(2)


《きらきら あります》
琥珀糖専門店ジオードの扉にそう書かれた黒板がかかっていれば営業中。
一風変った琥珀糖を作る琥太郎の店には、
ニ風も三風も変った客が今日も訪れる。
地学マニアに、シャイな女子高生、恋するご隠居…
琥太郎とジオードに来店する客のささやかで温かな交流を描く短編集。

(サイトより転載)

文フリでは実は完売になったとのこと。後からその存在を知ったので、ウエブに公開されている全文を読んだ。うまく言えないのだが、プロローグで少年が鉱石と、ある少年と出会い、大人になって琥珀糖の店の主となって町の人と関わる。ラストは思いっきりネタバレっぽくなるので是非読んでいただきたいのだが、最終話からエピローグに続く流れ、あのラストに至るまで、読んでいて鳥肌が立つとは思わなかった。あんなの初めてだよ。ものすごい良い話を読んだと思った。
最初初期の長野まゆみっぽいかなと思ったけれど、ちょっと違うかなぁ。淡い水彩画のようで、でも琥珀糖はしっかりとそこにある。人も、彼も。


発行:琥珀舎
判型:文庫 130P
頒布価格:500円
サイト:琥珀舎
レビュワー:添嶋譲