~すごくあたらしい歴史教科書~日本史C(2)


「誰も知らない歴史、教えます――」 学校で手にしてきた教科書には載らないような<誰も知らない>日本史をテーマにした、総勢18名で送る歴史小説のアンソロジー。
(※twitterアカウントの紹介文より転載)

※過去の感想はこちら
 ~すごくあたらしい歴史教科書~日本史C(1)

sanka

400頁弱にわたる歴史アンソロジー。読破するとまずすごい達成感に満たされます。 弥生時代から始まりそれぞれの時代の物語で歴史を辿る、物凄い気迫を感じられる一冊でした…!

戦国時代以降は最近の流行りで、ライトなものから重厚なものまであちらこちらでみかけますが、弥生時代のものから揃えているのに執筆陣本気をまざまざと体感できます。私があまり知らないだけかもしれませんが、弥生や鎌倉、室町の話ってあまり読んだことがないからすごい新鮮でした。

個人的には 特に『刻の彼方より』(弥生時代)、『袈裟を着た人』(奈良時代)、『白い脚』(江戸時代)に鷲掴みにされました。

『刻の彼方から』は三人の男の視点を継いで語られるのが印象的で、あまり知らない弥生時代の香りも濃厚で初っぱなからKOをくらいました。

『袈裟を着た人』は奈良時代特有の民草の飢餓感とラストの容赦なさに、無常を感じずにいられません。
『白い脚』は曽根崎心中誕生の物語を、味わい深くかつ軽快に書かれてて素敵でした!

読み終わったとき、明日から通勤かばんが軽くなるな…と嬉しいようなさみしいような、不思議な気分に。ともかく噂にたがわず、質・量ともにすごいボリュームの一冊です。


発行:史文庫
判型:B6 386P
頒布価格:1000円
サイト:歴史小説アンソロジー『日本史C』(公式Twitter)
レビュワー:世津路 章

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