書架にねむる。


『図書館が好きで通っているひとはもちろん、子供の頃に行ったっきりと言うひとにも、楽しんでもらえる本になったと思います。きっとこの本を読み終えたあなたは、図書館に行きたくなっていることでしょう。』(編集後記より抜粋)

図書館・図書室をテーマに、8人の作品を掲載したアンソロジー。
7つの短編小説と短歌の連作が1つ、図書館にまつわるミニコラムが3つ入っています。
同じテーマでもジャンルは様々で、ファンタジー有り、ホラー有り、現代物有り、現役司書さんが描く図書館の内側のお話有り…と、盛りだくさんです。

図書館のあの独特な空気を感じたり、見たことのないお話のなかの図書館に想いを馳せてみませんか。

+掲載作品+
『水底図書宮第7分館』/いぬのほねこ
『天の川逃飛行』/鳥久保咲人
『さくらさんの話』/田中理桜
『中有図書室』/日野裕太郎
『第百夜』/久地加夜子
『千古草の巫女』/くまっこ
『パネルラ』/泉由良
『カラフル』/壬生キヨム

図書館ミニコラム3編/Parsley
 『姉の結婚』
 『耳をすませば』
 『国際子ども図書館』

(創作文芸見本誌会場 HappyReadingの該当ページより転載)

sanka

内容はもちろん、装丁にも物凄くこだわりが見られる、主催者さまの愛情詰まった一冊。

どの作品も作者さまそれぞれの図書館や図書室への思いにあふれていて、懐かしくなったり、ほっこりしたり、哀しくなったり、切なくなったりと、子どもの頃、図書館や図書室で本を読んだときの気持ちが思い出されました。

特に好きなのは、司書さんのお仕事を書いた「さくらさんの話」と合間に入っていた「図書館ミニコラム」。
「さくらさんの話」はとても優しくて、ちょっとクスッとできる可愛い掌編でした。司書さんってこういう仕事してるんだぁってすごく興味深く読みました。
「図書館ミニコラム」は、へぇ〜の連続でした。司書さんのお話・漫画『姉の結婚』は、このコラムを読んで、凄く「読んでみたい!」と思いましたし、「国際子ども図書館」には行きたくなりました。情報だけでなく、作者さんの思いが込められた魅力的なコラムです。

小説好きな方なら、図書館・図書室というキーワードだけでピピッ! と反応しちゃうと思いますが、装丁も内容も、その期待にしっかりと応えてくれる素敵なご本だと思います。


発行:象印社
判型:B6 132P 
頒布価格:700円
サイト:くまっこにっき。
レビュワー:なな

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

前の記事

楽園の子供たち・2